【7月23日 AFP】英国の人気デュオ「ワム!(Wham!)」の元メンバーでポップ歌手のジョージ・マイケル(George Michael)さん(49)が昨年末、重症の肺炎で昏睡状態に陥り3週間後に意識が戻った際、一時的に普段のロンドン訛りとは違うイングランド西部地方(West Country)のアクセントでしか話せない状態になったことを明かした。

 17日、英ロンドン(London)のLBCラジオに出演したマイケルさんは「本当のことだと誓うよ。目が覚めたら西部のアクセントになっていたんだ」と語った。

 マイケルさんはツアー中の昨年11月、オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で重い肺炎を発症。緊急入院して生死の間をさまよった。意識が戻った時、医師が「自分が誰だか分かりますか」と話しかけると、西部地方のアクセントで「世界の王?」と答えたという。

「目が覚めた時に学校で習ったフランス語などの外国語を話す人がいるそうで、僕も同じ状態だと医師たちは心配していた」。話し方は2日間元に戻らず、家族は永遠にそのままなのではないかと思ったという。

 神経損傷を負って意識が回復した後、普段とはまったく違うアクセントで話すという医学的に珍しいこの症状は「外国語様アクセント症候群」として知られている。ほとんど知らない外国語をよどみなく話す場合さえあるという。

「西部の訛り自体は別に悪くないよ。ただ北ロンドンで生まれた人間がそれでしゃべっているとコントみたいだろ。僕の意識が戻って安心した姉妹は、ただ笑っていたよ」

 ウィーンの病院を退院してロンドンに戻れたのは翌月の12月。マイケルさんが昏睡状態に陥っていたことは退院するまで公表されなかった。マイケルさんが17日にBBCラジオに語ったところでは、入院中の1か月は予断を許さない状態だったという。意識が戻ったときは5週間分の記憶が抜け落ちていた上、歩く練習をしなければならなかった。「九死に一生を得たという感じだよ」

 全快後にツアーの予定を再度組み直したマイケルさんは、お世話になったウィーンの病院スタッフ1000人をコンサートに招待したという。(c)AFP