【1月9日 AFP】エルビス・プレスリー(Elvis Presley)が生誕75周年を迎えた8日、「ロックンロールの王様」の生誕記念イベント、エルビス祭(Elvis Festival)が開催されるオーストラリアの田舎町パークス(Parkes)には、世界中から大勢の観光客が押し寄せた。

 シドニー(Sydney)から300キロ西にある小さな町パークスで例年開かれるエルビス祭は、今年で第18回目を迎えた。8日にはシドニーから特別列車「エルビス特急(Elvis Express)」が運行され、1万人以上が6時間がかりでパークスに向かったとみられている。南アフリカ、スコットランド、米国からの観光客の姿も見られた。

 旅の始点となるシドニーの駅にはこの日、ヘアスプレーで髪を固めキラキラのジャンプスーツをまとった400人近くの「エルビス・プレスリー」が集結し、大混雑となった。

 車内では「エルビス」チームがセレナーデを歌い上げ、通路にあふれた乗客たちがお気に入りのエルビスの曲にあわせてダンスを踊り、自分たちのヒーローの誕生日を祝う賑やかなステージを繰り広げた。

 パークスで真夏に開かれる「エルビス祭」は今では全国的に有名なフェスティバル。カップルの結婚の誓いや、町の中心部での大規模なパレードなど、同日はエルビスをテーマにした150ものイベントが開かれる。

 シドニー大学(Sydney University)の研究プロジェクトのため10年ほど前からこのイベントに参加している社会学者、ジョン・キャロル(John Carroll)さんによると、このイベントは「定年した人が参加する学校の同窓会のようなもの」で例外的ともいえる成功を収めているという。

 パークスは近年、干ばつによる経済的な打撃を受けているが、前年はこのフェスティバルの期間中、9000人近くがホテルやキャンプ場、トレーラーの駐車場を予約し、町に400万米ドル(約3億7000万円)以上の経済効果をもたらした。(c)AFP