【10月25日 AFP】6月末に急死した米歌手マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの1982年のヒット曲「スリラー(Thriller)」のダンスを、世界最多の人数で一斉に踊るギネス世界記録(Guinness Book of World Records)への挑戦が24日、カナダのバンクーバー(Vancouver)を中心に行われた。

 バンクーバーで会場となったのは市中心部のバンクーバー・プラザ。「スリラー」独特の遠吠えが大型スピーカーから大音響で流れ、周囲の高層ビルにこだまするなか、子どもから大人まで約230人が、赤いペンキが散ったウェディングドレスや囚人服、ボディペイントなどで墓場から出てきた悪霊に扮して「ゾンビ・ステップ」を踏んだ。イベントは「スリル・ザ・ワールド:ア・グローバル・トリビュート・トゥ・マイケル・ジャクソン(Thrill The World: A Global Tribute to Michael Jackson)」と銘打たれた。

「ダンスもマイケルも大好き。マイケルの曲でダンスしながらギネス記録も目指すっていうのは完璧なイベントね」と小学校教諭のヘザー・シャンツさん(26)は語る。シャンツさんは半日かけて沿岸の地方の町から、このイベントのためにやってきた。

  この「世界同時スリラー・ダンス」の呼び掛けはバンクーバーから始まったということだが、世界各都市のまとめ役たちが電話会議でタイミングをあわせて同時にスタートした。バンクーバーのまとめ役、グレーム・リア(Graeme Lea)さんいわく「バンクーバーが最初のステップを踏めば、その時中国でも最初のステップを踏んでいるということ」だ。

 バンクーバーと反対のカナダ東部、モントリオール(Montreal)でも約100人が通りでダンスした後、亡くなったマイケルについて熱心に話し込む姿がみられた。

 バンクーバーやモントリオールとそっくりの「ゾンビ集団」の光景は、数千キロのかなた、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)にも登場した。公園の大型スクリーンに映し出されたジャクソンさんのビデオのまわりで踊った400人のなかには、「スリラー」がヒットした82年には生まれていなかった子どもや若者の姿も多かった。

 10歳のメリッサ・アコスタちゃんは「『ポップの王様』に敬意を表するためにここに来ました。わたしのお父さんはエルビス・プレスリーとマイケルは同じくらい王様だって言うけれど、わたしにはマイケルのほうが上です」と話した。

 この日「世界同時スリラー・ダンス」に参加した都市は全世界で200都市を超えたと主催者らは見積もっている。(c)AFP