【8月1日 AFP】旧東ドイツの秘密警察「シュタージ(Stasi)」が、故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんが1988年にベルリンの壁(Berlin Wall)のすぐそばで行ったコンサートに対して警戒態勢を取っていたことが明らかになった。大衆紙ビルト(Bild)が7月30日に伝えた。

 シュタージは、東側の若者が、ジャクソンさんのコンサートを聴くためにブランデンブルク門(Brandenburg Gate)付近の立ち入り禁止区域に入り込み、ベルリンの壁に接近する事態を懸念していた。1988年5月4日当時のシュタージの文書は「特定の若者は警官隊との対立を計画している」と述べていた。

 事態回避のため、シュタージは「注意をそらすためのコンサート」を計画していたという。ベルリンの壁から離れた場所にあるスタジアムで、2分遅れでジャクソンさんのコンサートを放映し、若者をスタジアムに集めるというねらいだった。仮にジャクソンさんのコンサートが、西側の「政治的挑発」とみられるようだったら、過去のジャクソンさんのコンサート映像と差し替える計画だった。

 しかしこの計画は実施されることはなく、シュタージは結局、ベルリンの壁に接近する若者らを暴力的に追い払った。(c)AFP