【12月1日 AFP】ビートルズ(The Beatles)のヒット曲「エリナー・リグビー(Eleanor Rigby)」の実在のモデルとされる女性の署名が入った給与記録が28日、ロンドン(London)のオークションに出品され、11万5000ポンド(約1700万円)で落札された。

 この給与記録の日付は1911年で、ビートルズの元メンバー、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の故郷リバプール(Liverpool)にある病院で出されたもの。その病院で「エリナー・リグビー」という女性が働いていた。

「エリナー・リグビー」は、身寄りのない老女を題材とした曲で、1966年に発表したシングル曲「イエロー・サブマリン」のB面と、アルバム『リボルバー(Revolver)』に収録されている。

 マッカートニーは以前、「エリナー」は1965年のビートルズ主演映画『HELP!四人はアイドル(Help!)』に出演した女優エレノア・ブロン(Eleanor Bron)に、「リグビー」はワインの名前にちなんで名付けたと話していた。だが、1980年代にリバプールのある教会で、墓標に「Eleanor Rigby」と刻まれた墓が見つかっている。

 出品者で英慈善団体「Sunbeams Music Trust」代表者のアニー・モーソン(Annie Mawson)さんによると、1990年にマッカートニーに子どもたちのための寄付を要請する手紙を送ったところ、ビートルズの当時の事務所から寄付金の代わりに、この給与記録が送られてきたという。

 一方、マッカートニーは11月12日、この給与記録がオークションに出品されるというニュースについて、「エリナー・リグビーは私が考え出した架空の人物だ」と、明細の信憑性を否定するコメントを発表している。(c)AFP