今月50歳になるマドンナとM・ジャクソン、2人がたどった対照的な運命
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【8月15日 AFP】ポップ界のアイコン的存在であるマドンナ(Madonna)と、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)はともに8月、50歳になる。マドンナは16日、ジャクソンは29日に、それぞれ誕生日を迎える。しかし、2人の運命はこれ以上にないほど対照的だ。
マドンナは米プロモーション会社と1億2000万ドル(約131億円)の10年契約を結び、最近もアルバム売上げ1位を獲得している。健康状態も良好だ。
一方、「ポップの帝王」の異名を取るジャクソンは、2005年に児童の性的虐待容疑で無罪を受け、さらに破産寸前との憶測も流れており、歌手としてのキャリアを立て直すことができずにいる。
1980年代、2人は音楽業界の頂点に立っていた。ジャクソンは1983年のアルバム『スリラー(Thriller)』は驚異的な大ヒットとなり、現在に至るまで「史上最も売れたアルバム」の記録を維持している。
マドンナも1983年の『エヴリバディ(Madonna)』が大ヒットし、同様の成功を見せていた。1年後にリリースしたアルバム『ライク・ア・ヴァージン(Like a Virgin)』は2100万枚を売り上げている。
マドンナはデビュー以来25年間、確固とした地位を築き上げてきた。だが、ジャクソンの人気は衰えつつある。1983年当時は、誰もこの現状を想像できなかっただろう。
「2人は同年齢で、1980年代から90年代にかけて音楽文化の神話的存在だった同じスーパースターだが、比べられない点も多いところがおもしろい」と、シラキュース大学(Syracuse University)でテレビ学を教えるロバート・トンプソン(Robert Thompson)教授は話す。
「ミュージシャン、ダンサー、エンターテイナーとして、マイケル・ジャクソンはマドンナの10倍も素晴らしいと言う人もいるだろう。米国の文化史にその名を残すトップミュージシャンには、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)、ビング・クロスビー(Bing Crosby)、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)などがいるが、ジャクソンもその1人だ」
トンプソン教授によれば、マドンナは自分を改革する並外れた能力で成功を手にしたという。その能力によって、時代が変わっても音楽のタイプが変わってもトップの座にとどまれたのだ。
ビルボード(Billboard)のチャート・ディレクターを務めるジェフ・メイフィールド(Geoff Mayfield)氏は、最新アルバム『ハード・キャンディ(Hard Candy)』がチャートの1位に輝いたことで、その成功を確固たるものにしたとみている。
音楽業界の専門家でもある南カリフォルニア大学( University of Southern California)のJerry Del Colliano教授も、同様にマドンナの持つカメレオンのような能力に言及し、「鋭敏なビジネスウーマンでもあり、スタジオも運営できるのではないか」と語っている。
一方、この10年でキャリアを急降下させたジャクソンについて、専門家たちの見方は楽観的なものとはいえない。トンプソン教授は、ジャクソンの問題の発端は、『スリラー』の成功と、その成功がもたらした名声だと語る。「ジャクソンは大きな財力、権力、名声を得たが、その結果現実から遠ざかってしまった。成功したことによって、破滅してしまったのだ。突然、自分自身のパロディのような存在になり、正統ミュージシャンとして復活することが難しくなった」
トンプソン教授もDel Colliano教授も、ジャクソンの復活を疑問視しており、「ジャクソンは児童性的虐待の裁判では無罪を獲得しているが、その汚名は彼の人生に暗い影を投げかけ続けるだろう」と述べている。(c)AFP
マドンナは米プロモーション会社と1億2000万ドル(約131億円)の10年契約を結び、最近もアルバム売上げ1位を獲得している。健康状態も良好だ。
一方、「ポップの帝王」の異名を取るジャクソンは、2005年に児童の性的虐待容疑で無罪を受け、さらに破産寸前との憶測も流れており、歌手としてのキャリアを立て直すことができずにいる。
1980年代、2人は音楽業界の頂点に立っていた。ジャクソンは1983年のアルバム『スリラー(Thriller)』は驚異的な大ヒットとなり、現在に至るまで「史上最も売れたアルバム」の記録を維持している。
マドンナも1983年の『エヴリバディ(Madonna)』が大ヒットし、同様の成功を見せていた。1年後にリリースしたアルバム『ライク・ア・ヴァージン(Like a Virgin)』は2100万枚を売り上げている。
マドンナはデビュー以来25年間、確固とした地位を築き上げてきた。だが、ジャクソンの人気は衰えつつある。1983年当時は、誰もこの現状を想像できなかっただろう。
「2人は同年齢で、1980年代から90年代にかけて音楽文化の神話的存在だった同じスーパースターだが、比べられない点も多いところがおもしろい」と、シラキュース大学(Syracuse University)でテレビ学を教えるロバート・トンプソン(Robert Thompson)教授は話す。
「ミュージシャン、ダンサー、エンターテイナーとして、マイケル・ジャクソンはマドンナの10倍も素晴らしいと言う人もいるだろう。米国の文化史にその名を残すトップミュージシャンには、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)、ビング・クロスビー(Bing Crosby)、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)などがいるが、ジャクソンもその1人だ」
トンプソン教授によれば、マドンナは自分を改革する並外れた能力で成功を手にしたという。その能力によって、時代が変わっても音楽のタイプが変わってもトップの座にとどまれたのだ。
ビルボード(Billboard)のチャート・ディレクターを務めるジェフ・メイフィールド(Geoff Mayfield)氏は、最新アルバム『ハード・キャンディ(Hard Candy)』がチャートの1位に輝いたことで、その成功を確固たるものにしたとみている。
音楽業界の専門家でもある南カリフォルニア大学( University of Southern California)のJerry Del Colliano教授も、同様にマドンナの持つカメレオンのような能力に言及し、「鋭敏なビジネスウーマンでもあり、スタジオも運営できるのではないか」と語っている。
一方、この10年でキャリアを急降下させたジャクソンについて、専門家たちの見方は楽観的なものとはいえない。トンプソン教授は、ジャクソンの問題の発端は、『スリラー』の成功と、その成功がもたらした名声だと語る。「ジャクソンは大きな財力、権力、名声を得たが、その結果現実から遠ざかってしまった。成功したことによって、破滅してしまったのだ。突然、自分自身のパロディのような存在になり、正統ミュージシャンとして復活することが難しくなった」
トンプソン教授もDel Colliano教授も、ジャクソンの復活を疑問視しており、「ジャクソンは児童性的虐待の裁判では無罪を獲得しているが、その汚名は彼の人生に暗い影を投げかけ続けるだろう」と述べている。(c)AFP