【12月8日 AFP】20世紀で最も重要な作曲家の1人とされるドイツの現代音楽家、カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)氏が5日、ドイツ西部ケルン(Cologne)近郊で亡くなっていたことが分かった。79歳だった。シュトックハウゼン財団が7日に発表した。

 セリー主義から出発し、1950年代半ばからは演奏中の偶然性に多くをゆだねる実験的な作品で知られるようになった。

 ブライアン・イーノ(Brian Eno)やビョーク(Bjork)、ビートルズ(Beatles)のアルバムのカバーにも登場するなど、現代音楽の一時代を築いた人物として幅広い影響を与えた。

 シュトックハウゼン氏は1928年8月22日、ケルン近郊の小さな町で生まれた。小さなころからピアノに親しみ、1948年から1951年までケルン大学でドイツ語や哲学、音楽学を学んだ。

 1952年にパリ(Paris)に移り現代音楽の作曲家オリビエ・メシアン(Olivier Messiaen)らに師事、セリー主義の作品を発表したが、徐々に不確定性や空間的要素を取り入れた作風へと変化する。米の実験音楽家ジョン・ケージ(John Cage)とも親交を結んだ。

 代表作にはセリー主義に基づく「コントラ・プンクテ」、世界各国の国歌を参照した66年の作品「ヒュムネン」、およそ30年かけて制作された7つのオペラ「光」などがある。同財団によると生涯で作曲したのは362曲に上る。(c)AFP