【11月22日 AFP】オーストラリアのロックバンド「INXS」のリードボーカル、マイケル・ハッチェンス(Michael Hutchence)がシドニー(Sydney)のホテルの一室で死亡してから、22日で10年が経過した。

 INXSのメンバーたちは、グループのホームページ上に「洞察力があり、詩人で夢想家だった」とハッチェンスを追悼するメッセージを掲載した。22日の命日は「兄弟」であるハッチェンスの死を私的に弔うと述べている。

 ハッチェンスは1997年11月22日、シドニーのリッツ・カールトン(The Ritz-Carlton)ホテルの一室で遺体で発見され、検視官は自殺と断定した。享年37歳だった。

 INXSのメンバー、ジョン・ファリス(Jon Farriss)は「1997年11月22日は、わたしたちが、そして世界がマイケル・ハッチェンスの死を知った衝撃的で無念な悲劇的な1日だった。しかし、多くの人と同じようにわたしも、マイケルの死にとらわれるのではなく、彼の素晴らしい人生を祝福したい。マイケルはこれからも常に若く、力強く、才能があり、情熱的な人物として皆の心に残っていくだろう。彼のバンドの仲間たちは年老いていくが、マイケルが老いることはない」とハッチェンスへの思いをつづった。

 ハッチェンスには、当時恋人だった英国のテレビ司会者、ポーラ・イエーツ(Paula Yates)さんとの間に一人娘タイガー・リリー(Tiger Lily)ちゃんがいる。しかし、イエーツさんも2000年に薬物の過剰摂取で死亡したため、元夫のロック歌手ボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)氏が法的後見人となり、タイガーちゃんは同氏のもとで暮らしている。

 ファリスは、ハッチェンスの中で、音楽に対する情熱よりも大きかったのは、娘に対する愛情だけだと語った。「彼の音楽に対する愛情は明確だった。しかし、それ以上に彼が愛情を注いでいたものがある。それが彼の娘だ」。(c)AFP