【11月19日 AFP】元ビートルズ(The Beatles)のポール・マッカートニー(Paul McCartney)が14日、ビルボード(Billboard)誌のインタビューに応じて、同バンドの楽曲が2008年からダウンロード可能になることを明らかにした。

 同誌のウェブサイト版に掲載されたマッカートニーのインタビュー記事によると、「すべての準備はできている。1つだけ小さな問題があるが、すぐに解決すると思う。だから長い時間はかからない。微調整が必要だが、2008年にはダウンロードできるようになるだろう」と語っている。「問題」とは、契約的なものに加えタイミングも絡んでいるという。

 近年、多くの楽曲のダウンロード販売が可能となっているのに対し、1960年代に数多くのヒット曲を出したビートルズの楽曲は、合法なデジタル配信が行われていなかった。

 2007年2月、ビートルズが設立したレーベル「アップル・コア(Apple Corps)」と米アップルの間で争われていた商標権問題が解決したことから、デジタル配信開始が予想されていた。そして4月、EMIとアップル・コアとの間で印税問題も解決。ビートルズの楽曲の合法的な配信を阻んでいたもう1つの障害が取り除かれた。
 
 その後、英レコード会社大手EMIはアップル(Apple)のiPod専用オンラインストアiTunesにおける、ビートルズ楽曲のデジタル配信実現に向けて取り組んでいたが、配信日開始の詳しい日程は明らかにしていなかった。

 8月には、アップルとEMIの契約締結により、同サイトで元ビートルズのジョン・レノン(John Lennon)の16曲がダウンロードが可能に。これをきっかけに、音楽業界ではビートルズの楽曲のデジタル配信も近い将来可能になるだろうと見られていた。

 ビートルズ時代にベースとボーカルを務めたマッカートニーは「こういうことはきちんとしておく必要がある。単にかっこいいからというだけでやり始めて、3年後に『なぜ、あんなことをしたんだ?』と思いたくはない」と語っている。(c)AFP