【9月21日 AFP】セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のフロントマン、ジョン・ライドン(John Lydon、51)が20日、英ラジオ局「ヴァージン・ラジオ(Virgin Radio)」のインタビューに答え、現在再結成ツアー中のロックバンド、ポリス(The Police)を酷評、特にボーカルのスティング(Sting、55)に辛らつな言葉を浴びせた。
 
『アナーキー・イン・ザ・U.K.(Anarchy in the UK)』や『プリティ・ヴェイカント(Pretty Vacant)』で1970年代の英国パンクシーンを築いたセックス・ピストルズは、アルバム『勝手にしやがれ(Never Mind the Bollocks)』リリース30周年を記念して、11月8日にブリクストン・アカデミー(Brixton Academy)で1日限りのコンサートを開催すると、17日に発表したばかり。

 一方、スティングを含む3人のメンバーで構成されたポリスは、カナダでの公演を皮切りに現在、世界ツアーの真っ最中だ。

 ライドンはスティング(Sting)を「スティンク(stink:お粗末の意)」とけなし、さらにポリスの再結成ツアーについて「あれは本当に再結成か?ジメジメした古い死体みたいじゃないか」と批判した。「スティンクがもう一度『ロクサーヌ(Roxanne、ポリスの大ヒット曲)』を歌うのを聞かなきゃいけないなんて、おもしろくも何ともない。気球から空気を抜くようなものさ」

 ライドンはまた、ピート・ドハーティ(Pete Doherty)やエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)など、ミュージシャンの薬物使用問題についても言及し、「古くさくてくだらないこと」だと語った。「楽しむためにドラッグを使うかもしれないが、それをひけらかしたりせずに黙っているべきだ。彼らは何も考えちゃいない。ちゃんとした理由があってドラッグをやっているんじゃないんだ」

 ライドンによると、セックス・ピストルズのベーシストで1979年に薬物過剰摂取により死亡したシド・ヴィシャス(Sid Vicious)も「同類だ」という。「彼らは、自分たちがやっていることを楽しんでいない。だからドラッグに走る。シドもそうだった。あいつは自分ができないことがあると、それに耐えられなかったんだ」

 さらにライドンは、「(薬物使用は)時間をかけて自殺していくようなものだ。彼らは身体的にも精神的にも苦しんでいる。だから、助けを求めてもいるんだ。なのに、この業界は最低さ。皆が見て見ぬふりをするんだからな。常にスポットライトを浴びることがどんなことなのか、一般人にはわからないよ。地獄の苦しみだ」と薬物使用者に同情しつつも、最後に「でもドラッグをやるなんて、古くさくて最低さ」と付け加えた。(c)AFP