【ロンドン/英国 30日 AFP】米国の成人向けアニメ「サウスパーク（South Park）」に、エリザベス女王（Queen Elizabeth II）が登場したことに対し、英国王室は通例通り、固く口を閉ざしている。

　映画「クイーン（The Queen）」で同女王を好意的に演じたヘレン・ミレン（Helen Mirren）が、アカデミー主演女優賞を獲得してからわずか1か月あまり。同女王は、米国で人気のアニメで、女王とは言い難い扱いを受けた。

　28日に放映された「サウスパーク」のエピソードで、米国を再征服しようとした英国の陰謀が失敗に終わり、自殺するエリザベス女王が描かれた。計画が失敗したという電話を受けた女王は、銃口を口にくわえ、引き金を引く。女王は崩れ落ち、血の海となった宮殿の床に横たわる。

　過激な内容と社会風刺で知られる同アニメは、コロラド州に住む4人の少年を中心にストーリーが展開する。28日に放映されたエピソードでは、そのほかにも、選挙へ向けたキャンペーンでテロリストの脅迫を受けるヒラリー・クリントン（Hillary Clinton）上院議員も登場した。

　王室の広報担当は29日、「芸術的解釈についての意見はありません」と、この件に関してのコメントを控えた。

　写真は、「サウス・パーク」に登場するキャラクターのぬいぐるみ（2001年8月9日撮影）。(c)AFP/Patrick VALASSERIS