【6月25日 AFP】米コメディー俳優ジム・キャリー(Jim Carrey)が、出演した映画『キック・アス2(Kick-Ass 2)』の宣伝活動に参加しないと発表した。米コネティカット(Connecticut)州のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で昨年発生した銃乱射事件を鑑み、同映画に含まれる過激な暴力描写を容認できないとの結論に至ったという。

 キャリーはこの決断をマイクロブログのツイッター(Twitter)で公表。「本作を撮ったのはサンディフック事件の1か月前だった。今良心に照らしてみると、あの暴力レベルは支持できない」と投稿した。2012年12月14日に発生した同事件では、児童20人と大人6人が命を落としている。8月に全米公開予定の本作でキャリーは、悪事から足を洗い犯罪と闘う集団のリーダーとなった「スターズ・アンド・ストライプス大佐(Colonel Stars and Stripes)」を演じている。

 同作の製作責任者の1人で、原作コミックの著者のマーク・ミラー(Mark Millar)氏はこれを受け、本作のプロモーションに協力してくれるよう、自身のブログでキャリーに嘆願している。

「ジムと同じで、私も(スコットランド人ではあるけれど)実生活での暴力を恐ろしいと思っている。でも『キック・アス2』はドキュメンタリーじゃない。本作の制作中に負傷した俳優もいなかった!最終的には彼が決めることだが、私はフィクションの中の暴力が実生活での暴力を引き起こすという見方には賛同しない。ハリー・ポッター(Harry Potter)が魔法を使うところを観たって、実生活で魔法使いの男の子が生まれるわけじゃないんだから」とし、「ジム、君のことは大好きだ。以上のことをもう1回考えてみてほしい」と締めくくっている。

 キャリーはサンディフック小学校での事件の直後にも「アメリカでは1年に20件の銃乱射事件が発生している。あなたは平気でいられる?僕は無理」とツイートしていた。(c)AFP