アカデミー賞ノミネーション発表、『リンカーン』が最多12部門
このニュースをシェア
【1月11日 AFP】米アカデミー賞(Academy Awards)を主催する映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、AMPAS)は10日、第85回アカデミー賞のノミネート結果を発表した。スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の『リンカーン(Lincoln)』が最多12部門で候補に挙がり、アン・リー(Ang Lee)監督の『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(Life of Pi)』が11部門で後に続いている。
奴隷制廃止を目指し議会で票を得ようと画策するエーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)第16代米大統領を描いた『リンカーン』は、今週末に授賞式が行われるゴールデン・グローブ(Golden Globes)賞でも最多ノミネートを記録している。
デヴィッド・O・ラッセル(David O. Russell)監督の『世界にひとつのプレイブック(Silver Linings Playbook)』は、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の4つすべての俳優部門のほか、作品賞、監督賞、脚本賞の主要部門にノミネートされた。主催者によれば、これは1981年以来となる快挙だという。
ロマンチックコメディーの同作品は、『ハングオーバー』で一躍人気者となったブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)が主演しているというだけでなく、歴史物や重厚なドラマが重視されるノミネーションの中で比較的明るい作品であることから話題となっている。
予想通りのノミネートもあった一方で、サプライズもあった。
ベン・アフレック(Ben Affleck)監督の『アルゴ(Argo)』とキャスリン・ビグロー(Kathryn Bigelow)監督の『ゼロ・ダーク・サーティ(Zero Dark Thirty)』はともに作品賞の候補には挙がったが、ノミネート確実とみられていた監督賞の候補からは外れた。
助演男優賞にノミネートされた5人は、全員が過去にオスカーを獲得している。
主演女優部門では、史上最高齢と最年少の2人が候補に挙がった。最高齢は『愛、アムール(Amour)』のエマニュエル・リヴァ(Emmanuelle Riva)、最年少は『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~(Beasts of the Southern Wild)』のクヮヴェンジャネ・ウォレス(Quvenzhane Wallis)で、年齢はそれぞれ85歳と9歳だ。
授賞式は2月24日、ハリウッド(Hollywood)のドルビー・シアター(Dolby Theatre)で開催される。
主要部門のノミネート結果は以下のとおり。
<作品賞>
-『愛、アムール』
-『アルゴ』
-『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』
-『ジャンゴ 繋がれざる者(Django Unchained)』
-『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』
-『ミッライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
-『リンカーン』
-『世界にひとつのプレイブック』
-『ゼロ・ダーク・サーティ』
<主演男優賞>
- ブラッドリー・クーパー--『世界にひとつのプレイブック』
- ダニエル・デイ・ルイス(Daniel Day-Lewis)--『リンカーン』
- ヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)--『レ・ミゼラブル』
- ホアキン・フェニックス(Joaquin Phoenix)--『ザ・マスター(The Master)』
- デンゼル・ワシントン(Denzel Washington)-- 『フライト(Flight)』
<助演男優賞>
- アラン・アーキン(Alan Arkin)--『アルゴ』
- ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)--『世界にひとつのプレイブック』
- フィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)--『ザ・マスター』
- トミー・リー・ジョーンズ(Tommy Lee Jones)--『リンカーン』
- クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)--『ジャンゴ 繋がれざる者』
<主演女優賞>
- ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)--『ゼロ・ダーク・サーティ』
- ジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)--『世界にひとつのプレイブック』
- エマニュエル・リヴァ--『愛、アムール』
- クヮヴェンジャネ・ウォレス--『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』
- ナオミ・ワッツ(Naomi Watts)--『インポッシブル(The Impossible)』
<助演女優賞>
- エイミー・アダムス(Amy Adams)--『ザ・マスター』
- サリー・フィールド(Sally Field)--『リンカーン』
- アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)--『レ・ミゼラブル』
- ヘレン・ハント(Helen Hunt)--『セッション(The Sessions)』
- ジャッキー・ウィーヴァー(Jacki Weaver)--『世界にひとつのプレイブック』
<監督賞>
- ミヒャエル・ハネケ(Michael Haneke)--『愛、アムール』
- ベン・ザイトリン(Benh Zeitlin)--『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』
- アン・リー--『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
- スティーヴン・スピルバーグ--『リンカーン』
- デヴィッド・O・ラッセル--『世界にひとつのプレイブック』
<長編アニメ賞>
- 『メリダとおそろしの森(Brave)』
- 『フランケンウィニー(Frankenweenie)』
- 『パラノーマン ブライス・ホローの謎(ParaNorman)』
- 『The Pirates! Band of Misfits』
- 『シュガー・ラッシュ(Wreck-It Ralph)』
<外国語映画賞>
- 『愛、アムール』(オーストリア)
- 『Kon-Tiki』(ノルウェー)
- 『No』(チリ)
- 『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(A Royal Affair)』(デンマーク)
- 『War Witch』(カナダ)
<脚色賞>
- 『アルゴ』
- 『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』
- 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
- 『リンカーン』
- 『世界にひとつのプレイブック』
<脚本賞>
- 『愛、アムール』
- 『ジャンゴ 繋がれざる者』
- 『フライト』
- 『ムーンライズ・キングダム(Moonrise Kingdom)』
- 『ゼロ・ダーク・サーティ』
<音楽賞>
- 『アンナ・カレーニナ(Anna Karenina)』
- 『アルゴ』
- 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
- 『リンカーン』
- 『007 スカイフォール(Skyfall)』
<長編ドキュメンタリー賞>
- 『壊された5つのカメラ(5 Broken Cameras)』
- 『The Gatekeepers』
- 『How to Survive a Plague』
- 『The Invisible War』
- 『シュガーマン 奇跡に愛された男(Searching for Sugar Man)』
(c)AFP