【1月10日 AFP】アカデミー賞(Academy Awards)の重要な指標となる第65回全米監督組合(Directors Guild of AmericaDGA)賞の候補者が8日、発表された。

 ノミネートされたのは以下の5人(敬称略)。

●ベン・アフレック(Ben Affleck)--『アルゴ(Argo)』
●キャスリン・ビグロー(Kathryn Bigelow)--『ゼロ・ダーク・サーティ(Zero Dark Thirty)』
●トム・フーパー(Tom Hooper)--『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』
●アン・リー(Ang Lee)--『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(Life of Pi)』
●スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)--『リンカーン(Lincoln)』

 アフレック氏がメガホンを取った『アルゴ』は、実際に行われた人質救出作戦を描いたもので、アフレック氏は主演も務めた。同作はゴールデン・グローブ(Golden Globes)賞で5部門にノミネートされている。

 ビグロー氏の『ゼロ・ダーク・サーティ』は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の追跡劇を映画化したもの。劇中で米中央情報局(CIA)が行った尋問については、評論家が拷問だと指摘するなど物議を醸している。

 ビグロー氏は2008年の『ハート・ロッカー(The Hurt Locker)』でアカデミー賞監督賞を受賞しており、その際タッグを組んでいた脚本家のマーク・ボール(Mark Boal)氏が『ゼロ・ダーク・サーティ』にも参加している。

 スピルバーグ氏は、1985年の『カラーパープル(The Color Purple)』、1993年の『シンドラーのリスト(Schindler's List)』、1998年の『プライベート・ライアン(Saving Private Ryan)』で過去3度この賞を受賞。『リンカーン』はゴールデン・グローブ(Golden Globes)賞と英国アカデミー賞で最多候補となっている。

 1948年に始まった同賞の歴代受賞者の中で、アカデミー賞監督賞を逃したのは6人しかいない。最近の例は2002年。DGA賞は『シカゴ(Chicago)』のロブ・マーシャル(Rob Marshall)氏に贈られたが、アカデミー賞監督賞は『戦場のピアニスト(The Pianist)』のロマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督が受賞した。

 昨年は、サイレント映画『アーティスト(The Artist)』のミシェル・アザナヴィシウス(Michel Hazanavicius)監督が両方を受賞している。(c)AFP