【9月4日 AFP】イタリア北部ベネチア(Venice)のリド(Lido)島で開催されている第69回ベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)で3日、コンペティション部門に出品されている北野武(Takeshi Kitano)監督の『アウトレイジ ビヨンド(Outrage Beyond)』が公式上映された。

 本作は2010年に公開された『アウトレイジ(Outrage)』の続編となる「ヤクザ」映画。前作では暴力団「山王会」の抗争が描かれ、北野演じる大友は死んだと思われた。しかし、その大友が実は生きていて今作で出所。巨大暴力団をめぐる新たな抗争に絡んでいくというストーリーだ。

 北野監督は公式上映前に行われた記者会見で、自分は日本ではそれほど評価されておらずファンも減っていると話した。そのため、本作は海外のより幅広い観客に見てもらうことを狙って作ったという。

■震災後の日本政府への怒り

 本作には、警察組織と政府、特に東日本大震災後の環境省の腐敗が描かれており、これについても監督は言及。国の政策が十分ではなく、そのことを映画に取り入れるべきだと感じ、現在の日本の本当の姿を描こうとしたと語った。

 監督はさらに、シリーズを3部作にする構想もあることを明かした。3作目の脚本はすでに書いたという。

■暴力描写

 ドリルやピッチングマシンを使った殺害シーンなどの暴力描写については、許されればもっと暴力的になった可能性もあると話した。さらに過激なアイデアもあったが、やりすぎれば見てもらえないかもしれないという判断から止められたという。

 日本公開は10月6日から。(c)AFP