【7月11日 AFP】(一部更新)映画『アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)』(1962年)などで知られる名優ピーター・オトゥール(Peter O'Toole、79)が10日、米誌ピープル(People)で俳優業を引退すると発表した。

「白旗を上げる時が来た。映画と舞台から引退する。情熱が消えてしまって、もう戻ってこない」

 オトゥールは、このようにコメント。俳優としての生活によって、人々から支えられ、感情が豊かになり、物質的にも快適だったと続けた。

「素敵な人たちやいい仲間と出会えて、失敗も成功も共有することができた」

「だが、人は自分で引き際を決めるべきだと信じている。だから涙は流さず、心からの感謝を込めて、この仕事に別れを告げたい」

 報道の真偽の問い合わせに対し、ロンドン(London)とニューヨーク(New York)の代理人からの返答はない。

■オスカーに8度ノミネート

 アイルランドで生まれ英国北部で育ったオトゥールは、ロンドン(London)の舞台でデビューした。シェークスピア(Shakespeare)の戯曲などを演じた後、デヴィッド・リーン(David Lean)監督の映画『アラビアのロレンス』でブレークした。

『カリギュラ(Caligula)』(1979年)や『ラストエンペラー(The Last Emperor)』(1987年)などにも出演し、アカデミー賞に8度ノミネートされたが受賞には至らなかった。

 舞台やテレビ映画「Jeffrey Bernard Is Unwell」でも高く評価されている。

 映画データベースIMDBによれば、最新映画は『Katherine of Alexandria』と『Mary Mother of Christ』で、それぞれ今年と来年に公開されるという。(c)AFP