【2月24日 AFP】第84回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式を目前に控え、アカデミー側が式に出席する英国のコメディアンで俳優のサシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)に対し、レッドカーペットでばかなまねはしないようにとくぎを刺した。招待を取り消したわけではないという。

 コーエンは、米国で5月公開予定のパラマウント(Paramount)の新作映画『ディクテーター(原題、The Dictator)』に出演。「これまで愛情を込めて国民を虐げてきた国に、二度と民主主義が訪れないように命をかける独裁者を描いた英雄物語」だという同作品で、主人公の独裁者を演じている。

 芸能情報紙ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)によれば、コーエンはパラマウントに対し、26日のアカデミー賞授賞式には、あごひげを蓄え軍服を着た映画の独裁者の姿で出席すると話したという。

 アカデミー側はコーエンの出席を取り消したのではないかとも報じられたが、アカデミーの広報担当者は23日、AFPの取材でこれを否定した。「アカデミーはコーエンを歓迎します。ただ、レッドカーペットをふざけた見せ物に使うことに対する私たちの気持ちを彼には伝えました」

 コーエンは、11部門にノミネートされている作品『ヒューゴの不思議な発明(Hugo)』の出演者として式に招待されている。

 コーエンがレッドカーペットで話題になったことは多い。2006年のトロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)では、主演映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(Borat)』を宣伝するため「女性農民」に引かせた荷車に乗って登場した。

 2009年のMTVムービー・アワード(MTV Movie Awards)では、天使の格好で天井から宙づりになり、エミネムの顔に臀(でん)部をぶつけた。実は、2人が事前に考えた芸当だったのだが、エミネムは激怒してみせた。(c)AFP