【11月10日 AFP】来年2月に開催される第84回アカデミー賞授賞式の司会に決定していた俳優エディ・マーフィ(Eddie Murphy)が降板することになった。同賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and SciencesAMPAS)が9日、発表した。

 前日には、マーフィの長年の仕事仲間で、最新作『ペントハウス(Tower Heist)』では監督と俳優としてタッグも組んだブレット・ラトナー(Brett Ratner)が、同性愛者に対する差別的発言を理由に授賞式のプロデューサーを辞退していた。

 AMPASのトム・シェラック(Tom Sherak)会長は、声明で、パートナーであるラトナーを失ったマーフィの心情を理解しており、マーフィの今後の活躍を祈っていると述べた。

 マーフィも「今回のプロデューサー変更に関する決定を深く理解し、支持している」とコメントを寄せた。

「授賞式に参加できることを本当に楽しみにしていたし、制作スタッフも準備を始めたばかりだった。しかし、新しいチームと司会者が同じように素晴らしい仕事をしてくれると確信している」(マーフィ)

■同性愛者に対する差別的発言

『X-MEN:ファイナル ディシジョン(X-Men: The Last Stand)』の監督としても知られ、数多くの作品に監督やプロデューサーとして携わってきたラトナーは、前週行われた『ペントハウス』のディスカッションイベントで、仕事のやり方を聞かれ、差別的な言葉で回答した。

「Rehearsal is for fags(リハーサルなんて、カマのやることさ)」

 ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙は「ラトナーは(おそらくアカデミー賞の最後の忠実なファンである)同性愛者を侮辱したことでアカデミー賞に恥をかかせただけではない」と報じた。

「大多数の映画製作者たちが自分の技術に変えている努力と準備、例えばリハーサルの時間などを、ばかな人間がやることだと考えていることを明らかにしたことで、ラトナーは自らを芸術的に軽い人間だと思わせてしまった」(ロサンゼルス・タイムズ)

 マーフィとラトナーに代わる新しい司会者とプロデューサーは、まだ発表されていない。ハリウッドで最も権威ある第84回アカデミー賞授賞式は2012年2月26日に開催される。(c)AFP

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