「反体制的」、イラン映画監督パナヒ氏に禁錮6年
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【12月21日 AFP】反体制的な集会へ参加しプロパガンダ活動を行ったとして、イラン改革派を支持する映画監督ジャファル・パナヒ(Jafar Panahi)氏に禁錮6年の判決が下った。弁護士が20日、イラン学生通信(ISNA)に語った。
パナヒ氏はさらに今後20年間、映画制作、脚本執筆、国内外メディアのインタビューへの対応、海外渡航を禁じられた。
パナヒ氏は、昨年のイラン大統領選後の混乱を題材に「反体制的」な映画を制作したとして3月に身柄を拘束され、5月に釈放されていた。パナヒ氏とともに映画を制作していたMohammad Rasoulof監督にも禁錮6年の判決が下された。
社会に対する批判的な映画を作ることで知られるパナヒ氏は、2000年のベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)に『チャドルと生きる(Circle)』を出品し、金獅子賞を受賞。2006年のベルリン国際映画祭(Berlin Film Festival)では、『オフサイド・ガールズ(Offside)』で銀熊賞を受賞している。
3月にパナヒ氏が拘束された際、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)氏、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)氏、アン・リー(Ang Lee)氏、オリヴァー・ストーン(Oliver Stone)氏ら著名監督たちは抗議した。カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)とフランス政府も拘束を非難し、フランス人女優ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)は、パナヒ氏が獄中で抗議のハンガーストライキを行っていると聞き、涙を流したといわれている。
今回の判決に対して、フランスのフレデリック・ミッテラン(Frederic Mitterrand)文化・通信相が抗議し、パナヒ氏の解放を求めている。(c)AFP/Jay Deshmukh