【10月25日 AFP】東京・六本木で前週末に開幕した「第23回東京国際映画祭(Tokyo International Film FestivalTIFF)」で「台湾」の呼称が用いられていることへの抗議として、中国代表団が同映画祭への参加を取りやめたと、中国国営紙・環球時報(Global Times)が25日報じた。

 同紙によると、中国代表団団長の江平(Jiang Ping)監督は、映画祭事務局に対し「チャイニーズ・タイペイ(中華台北、Chinese Taipei)」ないし「中国台湾(China's Taiwan)」の表記を使うよう申し入れたが、事務局側が受け入れなかったため、抗議の意を示すため不参加を決めたという。

「映画祭事務局が『1つの中国』の原則をないがしろにしたために不参加となったことは遺憾だ。この問題は台湾の同胞たちとは無関係で、東京の事務局の落ち度だ」(江平監督)

 同監督は、中国の放送局などを統括する国家広播電影電視総局(広電総局、State Administration of Radio, Film and TelevisionSARFT)の幹部も務めている。

 中国がコンペティション部門に出品していた2作品については、『鋼のピアノ(The Piano in a Factory)』は上映キャンセルとなったが、『ブッダ・マウンテン(Buddha Mountain)』については予定通り上映されると同紙は伝えている。

 一方、台湾政府の報道官は中国側の姿勢について、「映画関係者の交流の場である映画祭に政治を持ち込むべきではない」と批判した。(c)AFP