豪英雄「ビリー・シン」に白人俳優、中国系市民が猛反発
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【5月11日 AFP】第1次世界大戦(World War I)で活躍したオーストラリアの英雄的狙撃兵、ビリー・シン(Billy Sing)を描いたテレビ映画で、英国人と中国人との間に生まれたビリー・シンを白人俳優が演じたことをめぐり、「オーストラリアの歴史を白く塗りつぶすものだ」として、中国系オーストラリア人らから怒りの声が上がっている。
ビリー・シンは、中国人の父親と英国人の母親のもとに生まれ、第1次大戦のガリポリ(Gallipoli)戦線で活躍した狙撃兵。敵兵200人以上を殺害した功績により「暗殺者(The Assassin)」との異名を持ち、1943年にオーストラリアで死去した。
ところが、放映が予定されているテレビ映画「The Legend of Billy Sing(ビリー・シンの伝説)」で、ビリー・シンを白人の俳優が演じたことが明らかになった。
これに対し、オーストラリアの政治団体「Chinese Australian Forum(中国豪州フォーラム)」のトニー・パン(Tony Pang)理事長はAFPに対し、「何者かが中国系オーストラリア人の顔を、白人の顔で塗りつぶそうとしていることを知り、非常に残念だ。これは恥辱であり、史実が歪曲されるのを見るのは悲しい」と語った。
パン氏は、オーストラリアの中国人コミュニティーは長年こういったひどい扱いを受けがちだったが現在は変わったと述べ、「ジョン・ハワード(John Howard)前首相の役をパキスタン人俳優が演じていたらどう思うか?全くばかげている。完全に不適切だ」と批判した。
自分の息子をビリー・シン役に抜擢(ばってき)したジョフ・デイビス(Geoff Davis)監督は前週、同国紙オーストラリアン(Australian)対し、ビリー・シンの父親の中国人役の俳優が見つからなかったことが理由だと反論している。
一方、国民党(National Party)の中国系元上院議員も「ビリー・シンを白人だと勘違いして育つ人が出ることになる」として「深い失望」を表明。また、別の中国系オーストラリア人団体の幹部は「中国系オーストラリア人の英雄を真っ白に消す行為だ」と非難している。(c)AFP
ビリー・シンは、中国人の父親と英国人の母親のもとに生まれ、第1次大戦のガリポリ(Gallipoli)戦線で活躍した狙撃兵。敵兵200人以上を殺害した功績により「暗殺者(The Assassin)」との異名を持ち、1943年にオーストラリアで死去した。
ところが、放映が予定されているテレビ映画「The Legend of Billy Sing(ビリー・シンの伝説)」で、ビリー・シンを白人の俳優が演じたことが明らかになった。
これに対し、オーストラリアの政治団体「Chinese Australian Forum(中国豪州フォーラム)」のトニー・パン(Tony Pang)理事長はAFPに対し、「何者かが中国系オーストラリア人の顔を、白人の顔で塗りつぶそうとしていることを知り、非常に残念だ。これは恥辱であり、史実が歪曲されるのを見るのは悲しい」と語った。
パン氏は、オーストラリアの中国人コミュニティーは長年こういったひどい扱いを受けがちだったが現在は変わったと述べ、「ジョン・ハワード(John Howard)前首相の役をパキスタン人俳優が演じていたらどう思うか?全くばかげている。完全に不適切だ」と批判した。
自分の息子をビリー・シン役に抜擢(ばってき)したジョフ・デイビス(Geoff Davis)監督は前週、同国紙オーストラリアン(Australian)対し、ビリー・シンの父親の中国人役の俳優が見つからなかったことが理由だと反論している。
一方、国民党(National Party)の中国系元上院議員も「ビリー・シンを白人だと勘違いして育つ人が出ることになる」として「深い失望」を表明。また、別の中国系オーストラリア人団体の幹部は「中国系オーストラリア人の英雄を真っ白に消す行為だ」と非難している。(c)AFP