中国映画「南京!南京!」がサンセバスチャン国際映画祭で最高賞
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【9月27日 AFP】スペインで開催された第57回「サンセバスチャン国際映画祭(San Sebastian International Film Festival)」で最終日の26日、1937年の南京事件を描いた中国作品『南京!南京!(City of Life and Death)』が、最高賞の「金の貝殻賞」を受賞した。サンセバスチャン国際映画祭はスペイン語圏で最も権威ある映画祭。
『南京!南京!』は同映画祭コンペ部門に出品された15作品の1つで、最優秀撮影技術賞も受賞した。メガホンを取ったのは、若手中国人監督の陸川(Lu Chuan)氏。
「歴史的に重要な作品だ。中国以外の国ではほとんど知られていないこの事件についての真実を、世界に伝えたかった」と陸監督は21日に開かれた映画祭上映会後の記者会見で語った。
南京事件は、旧日本軍が当時の中国の首都南京を攻撃し陥落させた戦闘で、中国側はその際に虐殺、略奪などが行われたと主張している。そのため、従来の中国映画などでこの事件を扱う場合、日本兵は常に血に飢えた怪物のように描かれていた。
ところがこの作品では旧日本軍兵士が戦争の悲劇に巻き込まれたごく普通の人間として描かれていたことから、中国の国粋主義者の怒りを買い、陸監督は少なくとも1件の殺害脅迫を受けている。
2時間15分の長編となる同作はモノクロ画面で仕上げられており、準備期間から編集作業まで4年の年月をかけて完成された。制作費はごく限られていたと いう。戦闘場面と処刑場面、そして愛情ある人間関係を描いた場面が交互に登場し、日本と中国の双方の視点から描いた南京事件の恐ろしさを伝えている。
同作ではまた、独企業シーメンス(Siemens) の中国駐在員として当時中国に滞在していたナチス党員の活躍についても描かれている。この男性は、南京事件の際に安全地帯を設置して地元住民20万人を保護し、その後はドイツに強制送還された。同作によると、この一件が原因でナチス・ドイツと日本の関係が悪化したという。(c)AFP/Virginie Grognou
『南京!南京!』は同映画祭コンペ部門に出品された15作品の1つで、最優秀撮影技術賞も受賞した。メガホンを取ったのは、若手中国人監督の陸川(Lu Chuan)氏。
「歴史的に重要な作品だ。中国以外の国ではほとんど知られていないこの事件についての真実を、世界に伝えたかった」と陸監督は21日に開かれた映画祭上映会後の記者会見で語った。
南京事件は、旧日本軍が当時の中国の首都南京を攻撃し陥落させた戦闘で、中国側はその際に虐殺、略奪などが行われたと主張している。そのため、従来の中国映画などでこの事件を扱う場合、日本兵は常に血に飢えた怪物のように描かれていた。
ところがこの作品では旧日本軍兵士が戦争の悲劇に巻き込まれたごく普通の人間として描かれていたことから、中国の国粋主義者の怒りを買い、陸監督は少なくとも1件の殺害脅迫を受けている。
2時間15分の長編となる同作はモノクロ画面で仕上げられており、準備期間から編集作業まで4年の年月をかけて完成された。制作費はごく限られていたと いう。戦闘場面と処刑場面、そして愛情ある人間関係を描いた場面が交互に登場し、日本と中国の双方の視点から描いた南京事件の恐ろしさを伝えている。
同作ではまた、独企業シーメンス(Siemens) の中国駐在員として当時中国に滞在していたナチス党員の活躍についても描かれている。この男性は、南京事件の際に安全地帯を設置して地元住民20万人を保護し、その後はドイツに強制送還された。同作によると、この一件が原因でナチス・ドイツと日本の関係が悪化したという。(c)AFP/Virginie Grognou