【12月18日 AFP】米ハリウッド(Hollywood)の映画・テレビ制作会社の業界団体Alliance of Motion Picture and Television ProducersAMPTP)との労働協約交渉が行き詰まっている米映画俳優組合(Screen Actors GuildSAG)が前週、1月2日にストライキ決議を行うと発表したことに対し、有名スターら130人以上がストライキに反対する書簡を組合執行部に送った。米メディアが16日に報じた。

 この書簡に名を連ねたのは、ジョージ・クルーニー(George Clooney)、マット・デイモン(Matt Damon)、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)、トム・ハンクス(Tom Hanks)など。「組合を支持し、争点となっている問題は理解するが、今は人々を失業させるべきではない」と、ストライキを回避するよう求めている。

 2007年に脚本家組合(Writers Guild of AmericaWGA)が決行したストライキで生じた損失は、20億ドル(約1800億円)に上ると見積もられている。今回もストライキが行われれば、エンターテインメント業界には大きな痛手となり、2月22日に予定されているアカデミー賞授賞式の開催も危ぶまれる。

 ストライキ決議には、会員12万人の75%の賛成が必要だが、SAG内にも賛成派と反対派の間に大きな亀裂があり、決議は不可能かもしれないとの見方もある。
 
 SAGのアラン・ローゼンバーグ(Alan Rosenberg)会長は、ストライキ決議失敗は交渉において致命的になると語るが、これまで交渉に失敗してきた執行部を批判する声もある。エンターテインメント情報誌バラエティ(Variety)によれば、15日にニューヨーク(New York)で行われたSAGの会合で、俳優アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)が、「個人的な恨みはないが、交渉に失敗した人間は辞職すべきだ」と語ったという。

 SAGは、インターネット配信などの収益の分配増を求めAMPTPと交渉を行ってきた。AMPTP側は、SAGの要求は不当で、脚本家組合、監督米監督組合(Directors Guild of AmericaDGA)、そのほかの俳優組合と合意した内容と同様の提案をしたが拒否されたと主張している。(c)AFP