【7月21日 AFP】故ヒース・レジャー(Heath Ledger)の遺作となったバットマン(Batman)シリーズ最新作『ダークナイト(The Dark Knight)』が、1億5530万ドル(約166億円)となる北米公開週末の興行収入最高記録を達成。『スパイダーマン3(Spider-Man 3)』が持っていた1億5110万ドル(約161億円)の記録を更新した。興行成績調査会社Exhibitor Relationsが20日に発表した暫定数値から明らかになった。
 
 これまでの同記録で、1位は『スパイダーマン3』、2位は1億3560万ドル(約145億円)を記録した2006年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・ チェスト(Pirates of the Caribbean 2: Dead Man’s Chest)』、3位は1億2160万ドル(約130億円)を記録した『シュレック3(Shrek the Third)』だった。

『ダークナイト』がこれほどヒットするとは予想されていなかったが、公開初日を迎えた18日深夜の1回目の上映分のチケットは数日前から売り切れ、映画館にはその後の回のチケットを求める人々の長い列ができた。

 Exhibitor Relationsの専門家ジェフ・ボック(Jeff Bock)氏は、大ヒットとなった要因はレジャーにあるとみている。

 クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督が2005年の『バットマン・ビギンズ(Batman Begins)』に続いてメガホンを取った『ダークナイト』では、バットマンの宿敵ジョーカー(Joker)役を演じたレジャー迫真の演技が公開前から話題となっていた。レジャーは1月、ニューヨーク(New York)の自宅で薬物過剰摂取のため急死している。

 ボック氏は、レジャーの悲劇的な死につけこまずに映画の宣伝を行ったワーナーブラザーズ(Warber Brothers)の手腕も称賛している。「やりにくかったと思うが、素晴らしい仕事をした。レジャーが俳優としてこの映画に望んだものに忠実で、レジャーの遺族の感情にも敬意を払っている。バットマンの象徴的な悪役であるジョーカーを中心にせずに宣伝する方法はなかったはずだ」

 そのほかのヒーローもののヒット作と同様に、本作も批評家から高い評価を受けている。一部の批評家は、そのダークなテーマやマイケル・ケイン(Michael Caine)、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)、アーロン・エッカート(Aaron Eckhart)らスターの演技を称賛している。

 だが話題を独占してきたのは、やはりレジャーの演技だった。次回のアカデミー賞で、非常に珍しい故人としてオスカー獲得の可能性も取りざたされている。(c)AFP

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