タランティーノ監督、カンヌ祭特別講義で映画作りの「極意」語る
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【5月23日 AFP】カルト的人気を誇る米映画監督クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)が22日、現在開催中の同映画祭の「マスタークラス(Cinema Masterclass)」で講師として特別講義を行った。
タランティーノは『パルプ・フィクション(Pulp Fiction)』(1994年)でカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のパルム・ドール(Palme d'Or)を獲得している。過去には、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)、ナンニ・モレッティ(Nanni Moretti)、ウォン・カーウァイ(Wong Ka Wai)、シドニー・ポラック(Sydney Pollack)ら映画監督もマスタークラスの講師を務めた。
■映画制作の秘訣は、資金ゼロで映画作りをすれば分かる
黒シャツに黒いジャケット、黒いパンツといういでたちで壇上に上がったタランティーノは、集まった1000人以上の生徒を前に、『レザボアドッグス(Reservoir Dogs)』、『パルプ・フィクション』、『デス・プルーフ in グラインドハウス(Death Proof)』などの作品について90分間の熱弁を振るい、ビデオ店の店員から世界的な映画監督になったいきさつなどを語った。
仕事のかたわらで週末だけ使い、3年がかりで最初の長編映画を作ったタランティーノは、「資金ゼロで自分で長編映画を作るといい。それが最高の『映画の学校』だ」とアドバイス。イタリアの西部劇映画やカンフー映画、ブライアン・デ・パルマ(Brian De Palma)が、映画を作る上でのインスピレーションになったと言う。
■作品群は2つのカテゴリーに
タランティーノ作品は、テンポの早いせりふ回しやポップカルチャーへの執着、露骨な暴力シーンなどが特徴とされる。監督自身によれば、これらの作品は2つのカテゴリーに分けられるという。
ハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel)とティム・ロス(Tim Roth)らが出演した『レザボアドッグス』や、ジョン・トラヴォルタ(John Travolta)、サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)、ユマ・サーマン(Uma Thurman)が出演した『パルプ・フィクション』などは、「きわめて現実的」な作品群。一方、武術映画、サムライ映画、殺人犯の映画などへのオマージュとされる『デス・プルーフ in グラインドハウス』や『キル・ビル(Kill Bill)』などは、「映画の映画」の作品群になる。
『キル・ビル』は自分にとっての『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』なのだと、タランティーノ監督は言う。1979年作品の『地獄の黙示録』は、フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督がベトナム戦争を描いたもので、映画史上最も偉大な作品のひとつとされている。
■音楽へのこだわり
タランティーノ監督は、クラシックやカルト的なテレビシリーズの音楽を用いるなど、タランティーノらしい音楽の使い方でも定評がある。米国でも最高のサウンドトラック・コレクションを持っており、音楽に合わせてシーンを決めることがあることもあるそうだ。
「どんな作曲家も信用できない」と言う監督は、自分の映画用に作曲してもらうことは絶対にないと断言する。「私の作品にくだらない音楽をつける。気に入らなかったらどうするんだ。こっちはもう契約金を払っているのにね!」
■『レザボアドッグス』の朝食シーン
『レザボアドッグス』には、黒いスーツを着た8人の男たちがレストランで朝食をとる10分間の有名なシーンがある。このシーンについて監督は、「数百万人の映画監督からレストランのシーンを撮影するのが難しくなったと言われたよ。皆、私のところにやってきて言うんだ。『あんなシーンはとれない。レザボアドッグス独自のものだ。君独自のテクニックだ』とね」と話した。(c)AFP/Rory Mulholland
タランティーノは『パルプ・フィクション(Pulp Fiction)』(1994年)でカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のパルム・ドール(Palme d'Or)を獲得している。過去には、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)、ナンニ・モレッティ(Nanni Moretti)、ウォン・カーウァイ(Wong Ka Wai)、シドニー・ポラック(Sydney Pollack)ら映画監督もマスタークラスの講師を務めた。
■映画制作の秘訣は、資金ゼロで映画作りをすれば分かる
黒シャツに黒いジャケット、黒いパンツといういでたちで壇上に上がったタランティーノは、集まった1000人以上の生徒を前に、『レザボアドッグス(Reservoir Dogs)』、『パルプ・フィクション』、『デス・プルーフ in グラインドハウス(Death Proof)』などの作品について90分間の熱弁を振るい、ビデオ店の店員から世界的な映画監督になったいきさつなどを語った。
仕事のかたわらで週末だけ使い、3年がかりで最初の長編映画を作ったタランティーノは、「資金ゼロで自分で長編映画を作るといい。それが最高の『映画の学校』だ」とアドバイス。イタリアの西部劇映画やカンフー映画、ブライアン・デ・パルマ(Brian De Palma)が、映画を作る上でのインスピレーションになったと言う。
■作品群は2つのカテゴリーに
タランティーノ作品は、テンポの早いせりふ回しやポップカルチャーへの執着、露骨な暴力シーンなどが特徴とされる。監督自身によれば、これらの作品は2つのカテゴリーに分けられるという。
ハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel)とティム・ロス(Tim Roth)らが出演した『レザボアドッグス』や、ジョン・トラヴォルタ(John Travolta)、サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)、ユマ・サーマン(Uma Thurman)が出演した『パルプ・フィクション』などは、「きわめて現実的」な作品群。一方、武術映画、サムライ映画、殺人犯の映画などへのオマージュとされる『デス・プルーフ in グラインドハウス』や『キル・ビル(Kill Bill)』などは、「映画の映画」の作品群になる。
『キル・ビル』は自分にとっての『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』なのだと、タランティーノ監督は言う。1979年作品の『地獄の黙示録』は、フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督がベトナム戦争を描いたもので、映画史上最も偉大な作品のひとつとされている。
■音楽へのこだわり
タランティーノ監督は、クラシックやカルト的なテレビシリーズの音楽を用いるなど、タランティーノらしい音楽の使い方でも定評がある。米国でも最高のサウンドトラック・コレクションを持っており、音楽に合わせてシーンを決めることがあることもあるそうだ。
「どんな作曲家も信用できない」と言う監督は、自分の映画用に作曲してもらうことは絶対にないと断言する。「私の作品にくだらない音楽をつける。気に入らなかったらどうするんだ。こっちはもう契約金を払っているのにね!」
■『レザボアドッグス』の朝食シーン
『レザボアドッグス』には、黒いスーツを着た8人の男たちがレストランで朝食をとる10分間の有名なシーンがある。このシーンについて監督は、「数百万人の映画監督からレストランのシーンを撮影するのが難しくなったと言われたよ。皆、私のところにやってきて言うんだ。『あんなシーンはとれない。レザボアドッグス独自のものだ。君独自のテクニックだ』とね」と話した。(c)AFP/Rory Mulholland