【5月19日 AFP】第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で18日に開催された『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)』のワールドプレミアに出席した主演のハリソン・フォード(Harrison Ford、65)は、「批評家のムチは覚悟しているが、これまでのシリーズ同様『純粋に喜んでもらえる』作品に仕上がったと思う」と自信をのぞかせた。

 考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズを演じる映画の中では、存分にムチを振り回すフォード。数百人の批評家が出席したプレミア後に「批評家の反応が怖いか」との質問を受け、「全然怖くない。ムチを受けることは覚悟してるよ。人気作品に非難はつきものだ」と答えた。

「そんなことよりも、僕はお金を払って見てくれるお客さんたちのために仕事をしているんだ。僕は、自分ができうる最高の体験を、そういうお客さんたちに提供することに力を注いでいる」

 また、このシリーズ最新作は、第1作『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》(Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark)』(1981年)のような80年代ハリウッドのアドベンチャー映画の魔法を再現したものだと語った。

「この映画は、そうした(当時のアドベンチャー)映画を賞賛するものでもあるんだ」と、スクリーンよりも若く見える日焼けしたフォードは語る。「これは、共感してくれる人に喜んでもらうために作った映画だ。観客は見たこともない世界に度肝を抜かれるよ」

 スタントマンやコンピューターグラフィックを使用しても観客には気付かれてしまうと考えるフォードは、「だからスタントシーンを自分でやることにこだわった」と話す。

「そうしたシーンの最中でも物語は進行しているのだから、(演者の)表情がちゃんとわかるようにすることが大切だ。じゃないと、ただの運動になってしまう。スタントシーンにも、他のシーン同様に、本物であれ偽りであれ、感情を込める必要がある。だからこそ、われわれは昔流に、体を張って、スタントシーンやアクションシーンに喜んで挑んだ」

 フォードによると、インディ・ジョーンズは「ウィットと知性」ゆえにほかのヒーローたちとは一線を画すのだという。「約30年の長きにわたってインディ・ジョーンズというキャラとその映画に絶え間ない関心が寄せられてきたことを大変うれしく思う。DVDでシリーズに親しんできた若い世代は、今度は映画館で見られるのだから、その意味でも最新作の公開は喜ばしい」

 スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督(61)とのコラボも時とともに向上していったという。「スティーヴンとの関係は極めて特別。彼に絶大な信頼を寄せている。彼の仕事っぷりを見ているだけでも実に楽しい。ジェームズ・ブラウン(James Brown、ソウルシンガー)亡き今のショービジネス界で、彼はいちばんの働き者。もっとも、彼(=スピルバーグ氏)は踊れないがね」

 スピルバーグ氏は1993年の『シンドラーのリスト(Schindler's List)』でアカデミー賞作品賞を受賞した際、オスカーを手渡すフォードに「あの帽子をまたかぶってもらいたいな」と言葉をかけ、続編制作をにおわせていた。

 そんなスピルバーグ氏は、フォードを「秘密兵器」と称する。「彼は、ストーリー、自分以外の登場人物、すべてにおいて気を使う。すべてのプロセスにおける共同制作者だ。おかげで撮影中は肩の荷が下りたよ」(c)AFP/Deborah Cole

カンヌ国際映画祭の公式ウェブサイト(英語)
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