カンヌ映画祭で『The Third Wave』上映、津波後の救援に監督が自ら参加
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【5月17日 AFP】第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)3日目の16日、2004年のインド洋大津波を題材にとったアリソン・トムソン(Alison Thomson)監督の特別招待作品『The Third Wave』が上映された。開幕日にミャンマーのサイクロン被害や四川大地震など相次ぐ災害への政府の無能ぶりを非難した審査委員長のショーン・ペン(Sean Penn)が、主催者側から特別な許可をもらってレッドカーペットを歩いた。
レッドカーペットには、U2のボノ(Bono)や米国のドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア(Michael Moore)も姿を見せた。
映画は、津波直後のスリランカにおける監督自身の救援活動を軸にしたドキュメンタリーだ。津波の惨状を知ったニューヨーク在住のトムソン監督は、パートナーとともに、なけなしの金を持ってスリランカに急行。救援物資を積んだバンを走らせ、2500人の犠牲者を出したペラリヤ(Peraliya)村に入る。
監督らは、けが人に応急処置を施したり、放心した村人たちを励ましたり、遺体を集めたり、トイレやシェルターを建設したりした。学校の再建や食料の確保にもあたった。西洋人も含めたボランティアの数は徐々に増え、7週目には医師も含めて40人にのぼった。数か月後には、520戸を建て直すことができた。
この間、資金集めは一切行わず、支援団体やそばを通りかかった人々から薬や食料、お金などを時々分けてもらう程度だったという。ボランティアに参加したあるオーストラリア人男性は、「(ボランティア活動は)簡単さ。大層なスキルなんていらない。ハートがあればいいのさ」と語っている。
■良心に基づいた作品
ペンは「こんなに刺激的ですばらしい作品はこれまで見たことがない。この映画は、政府が助けてくれそうにないということよりも、自分たち自身でどうやって助け合っていくかということへのヒントを与えてくれるものだ」と絶賛した。
ペンは、休暇を過ごしていたタイでこの津波に遭い婚約者を失ったモデルのペトラ・ネムコバ(Petra Nemcova)の勧めでこの映画を半年前に観ているが、ミャンマーと中国における大災害を受け「この映画は今だからこそ、さらに重要な意味を持つ」と付け加えた。
トムソン監督は、次はミャンマーの救援に向かいたいと語った。「来たい人がいたら、ぜひ私と一緒に来てください」
批評家らは、最高賞パルム・ドール(Palme d’Or)はこうした良心に基づく作品に贈られるだろうと語っている。(c)AFP/Claire Rosemberg
カンヌ国際映画祭の公式ウェブサイト(英語)
レッドカーペットには、U2のボノ(Bono)や米国のドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーア(Michael Moore)も姿を見せた。
映画は、津波直後のスリランカにおける監督自身の救援活動を軸にしたドキュメンタリーだ。津波の惨状を知ったニューヨーク在住のトムソン監督は、パートナーとともに、なけなしの金を持ってスリランカに急行。救援物資を積んだバンを走らせ、2500人の犠牲者を出したペラリヤ(Peraliya)村に入る。
監督らは、けが人に応急処置を施したり、放心した村人たちを励ましたり、遺体を集めたり、トイレやシェルターを建設したりした。学校の再建や食料の確保にもあたった。西洋人も含めたボランティアの数は徐々に増え、7週目には医師も含めて40人にのぼった。数か月後には、520戸を建て直すことができた。
この間、資金集めは一切行わず、支援団体やそばを通りかかった人々から薬や食料、お金などを時々分けてもらう程度だったという。ボランティアに参加したあるオーストラリア人男性は、「(ボランティア活動は)簡単さ。大層なスキルなんていらない。ハートがあればいいのさ」と語っている。
■良心に基づいた作品
ペンは「こんなに刺激的ですばらしい作品はこれまで見たことがない。この映画は、政府が助けてくれそうにないということよりも、自分たち自身でどうやって助け合っていくかということへのヒントを与えてくれるものだ」と絶賛した。
ペンは、休暇を過ごしていたタイでこの津波に遭い婚約者を失ったモデルのペトラ・ネムコバ(Petra Nemcova)の勧めでこの映画を半年前に観ているが、ミャンマーと中国における大災害を受け「この映画は今だからこそ、さらに重要な意味を持つ」と付け加えた。
トムソン監督は、次はミャンマーの救援に向かいたいと語った。「来たい人がいたら、ぜひ私と一緒に来てください」
批評家らは、最高賞パルム・ドール(Palme d’Or)はこうした良心に基づく作品に贈られるだろうと語っている。(c)AFP/Claire Rosemberg
カンヌ国際映画祭の公式ウェブサイト(英語)