【3月27日 AFP】90年以上前に上映されたアニメーション映画2本が、東京国立近代美術館(National Museum of Modern Art, Tokyo)により復元された。同美術館が27日、発表した。

 世界に名だたる日本アニメ界の先駆となった2作ともに、約2分間のサイレント作品。

 その存在はこれまで「1917年と18年に上映された」と記録上で確認されるのみだった。しかし2007年、大阪の骨董市で発見され、今回の復元に至った。

 そのうちの1本、『なまくら刀』と題された作品は、現存する最古のアニメーション作品とされる。切れ味の悪い刀をまんまと買わされた武士が、通りがかる人を相手に試し切りをしようとするが、下級身分の庶民たちに負かされてしまう、というコメディータッチの痛快ものとなっている。もう1本は1918年に上映された作品で童話「浦島太郎」をアニメ化したもの。

 東京国立近代美術館によれば、いずれも紙箱に収められ、通気が保たれていたおかげで、非常によい保存状態だという。

 記録によれば「日本最古」のアニメーションは、『なまくら刀』の数か月前、1917年1月に上映された作品とされているが、このアニメーションはまだ発見されていない。(c)AFP