アカデミー賞3冠、フランス映画に変貌の波?
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【2月28日 AFP】今年の第80回アカデミー賞(80th Academy Awards)では、フランス映画が主演女優賞を含む3部門を獲得。この快挙は、国家の資金援助が削減されるかもしれないとの不安におびえている映画産業にとって朗報となった。
アカデミー賞の授賞式のわずか48時間前に、仏版アカデミー賞と呼ばれる「第33回セザール賞(Nuit des Cesar)」の授賞式が開催され、伝説的歌手エディット・ピアフ(Edith Piaf)を演じた女優マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)がセザール賞の主演女優賞を手にした。
だがその頃、フランス国内の200の映画館と1000の独立系映画館は、国家の支援予算削減案に抗議の意を示すため休館していた。フランスの映画監督協会SRFも同時期に、映画館の運営支援予算削減案を非難し、政府に対し予算増加を求める声明を発表している。
「小規模の映画も製作できるる環境を作り、映画界のシステムを改善する方法を見つけたい」とSFR共同運営者の1人、映画監督のピエール・サルヴァドーリ(Pierre Salvadori)は話す。
フランスでは長年、文化事業は政策で特別に守られるべきだとして、文化保護政策が実施されてきた。この政策の下、映画製作には国家予算が当てられるほか、外国映画のテレビ放送枠に制限を設けている。またチケット売り上げの一部は、新しい映画の制作費に当てられてきた。
その結果、フランスには米国、インドに次ぐ世界第3の規模の映画産業が誕生した。国産の作品が映画市場の半分以上を占めている国は、ヨーロッパではフランスのみだ。ところが最近、映画産業への支援予算削減案が浮上してきたのだ。
こうした中、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~(La Vie En Rose)』は今年のアカデミー賞で3冠獲得という歴史的快挙を果たした。コティヤールの主演女優賞のほか、メイクアップ賞も受賞。また映画『The Mozart of the Pick-Pockets』にも短編実写映画賞が贈られた。
「フランス語の映画は、特に米国では、もはや国際的ヒットを飛ばす障害ではない」と、仏国立フィルム・センターのヴェロニク・カイラ(Veronique Cayla)館長は話す。
『エディット・ピアフ』は世界で600万枚のチケットを売り、アカデミー賞2つ、ゴールデングローブ賞(Golden Glob)1つ、英国アカデミー賞(British Academy Film Awards)で4つ、セザール賞で5つの受賞を果たしている。
同作のプロデューサ-、アラン・ゴールドマン(Alain Goldman)も、この数々の受賞によって、商業的ではないとされてきたフランスのヌーベルバーグの作品が世界に受け入れられることを証明されたとして、「フランス映画は将来、商業的にも有望だ」と自信をのぞかせた。(c)AFP
アカデミー賞の授賞式のわずか48時間前に、仏版アカデミー賞と呼ばれる「第33回セザール賞(Nuit des Cesar)」の授賞式が開催され、伝説的歌手エディット・ピアフ(Edith Piaf)を演じた女優マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)がセザール賞の主演女優賞を手にした。
だがその頃、フランス国内の200の映画館と1000の独立系映画館は、国家の支援予算削減案に抗議の意を示すため休館していた。フランスの映画監督協会SRFも同時期に、映画館の運営支援予算削減案を非難し、政府に対し予算増加を求める声明を発表している。
「小規模の映画も製作できるる環境を作り、映画界のシステムを改善する方法を見つけたい」とSFR共同運営者の1人、映画監督のピエール・サルヴァドーリ(Pierre Salvadori)は話す。
フランスでは長年、文化事業は政策で特別に守られるべきだとして、文化保護政策が実施されてきた。この政策の下、映画製作には国家予算が当てられるほか、外国映画のテレビ放送枠に制限を設けている。またチケット売り上げの一部は、新しい映画の制作費に当てられてきた。
その結果、フランスには米国、インドに次ぐ世界第3の規模の映画産業が誕生した。国産の作品が映画市場の半分以上を占めている国は、ヨーロッパではフランスのみだ。ところが最近、映画産業への支援予算削減案が浮上してきたのだ。
こうした中、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~(La Vie En Rose)』は今年のアカデミー賞で3冠獲得という歴史的快挙を果たした。コティヤールの主演女優賞のほか、メイクアップ賞も受賞。また映画『The Mozart of the Pick-Pockets』にも短編実写映画賞が贈られた。
「フランス語の映画は、特に米国では、もはや国際的ヒットを飛ばす障害ではない」と、仏国立フィルム・センターのヴェロニク・カイラ(Veronique Cayla)館長は話す。
『エディット・ピアフ』は世界で600万枚のチケットを売り、アカデミー賞2つ、ゴールデングローブ賞(Golden Glob)1つ、英国アカデミー賞(British Academy Film Awards)で4つ、セザール賞で5つの受賞を果たしている。
同作のプロデューサ-、アラン・ゴールドマン(Alain Goldman)も、この数々の受賞によって、商業的ではないとされてきたフランスのヌーベルバーグの作品が世界に受け入れられることを証明されたとして、「フランス映画は将来、商業的にも有望だ」と自信をのぞかせた。(c)AFP