【2月24日 AFP】毎年恒例、その年の「最もひどい映画作品および出演者」に贈られるゴールデン・ラズベリー(Golden Raspberry)賞(ラジー賞)が23日に発表された。今回は、出演した『I Know Who Killed Me』が作品賞、さらに1人2役で出演し両役でダブル主演女優賞を獲得したリンジー・ローハン(Lindsay Lohan)が“女王”に輝いた。

 同作品は、クリス・シヴァートソン(Chris Sivertson)監督が監督賞を受賞したほか、脚本賞、リメイク賞、ホラー映画賞などで8冠を達成した。

 2007年はローハンにとって、飲酒運転や薬物所持での2度の逮捕、リハビリ施設への入所や短期間の獄中生活など散々な1年だった。そして『I Know Who Killed Me』の評価も一様に辛らつなものだった。エンターテイメント情報誌バラエティ(Variety)は「誤った魅力を発揮した失敗作」とこき下ろし、映画雑誌プレミア(Premiere)は、「笑えるほどひどい、奇怪でちぐはぐな映画」と一蹴(いっしゅう)した。

 同賞でもう1人注目を集めたのは、エディ・マーフィー(Eddie Murphy)だった。1人3役をこなした『マッド・ファット・ワイフ(Norbit)』で、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞の珍しい3冠に輝いた。

 前年は『ドリームガールズ(Dreamgirls)』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたマーフィーだが、受賞を逃したのは、授賞式直前に『マッド・ファット・ワイフ』が公開されたせいだとの指摘もある。有名な批評家Richard Roeper氏が「不快なほどの駄作」と言うなど、同作品は米国中で酷評を浴びた。この3冠に対し、ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙は「最低映画賞で3冠を達成したために、履歴書に汚点を残すところだったどこかの2人の俳優を救ったマーフィーの無欲さを理解してくれる人道組織もあるだろう」と皮肉った。

同賞は毎年、アカデミー賞授賞式の前日に発表されるが、受賞者が出席することは滅多にない。(c)AFP/Paula Bustamante