【2月1日 AFP】シンガポール在住のミャンマー人が3日に、ミャンマーの反軍政デモで犠牲になった人々のためユニークな追悼式を行う。シルヴェスタ・スタローン(Sylvester Stallone)主演のランボーがタイとミャンマーの国境でミャンマー軍と戦う、『ランボー 最後の戦場(Rambo)』の上映会だ。

 ミャンマーの活動家組織「Overseas Burmese Patriots」は同上映会のチケット600枚を購入している。同組織のAung Sayar Pyi氏は、「世界にわれわれの団結を見せたい。民主主義を求めて闘った人々の努力を忘れたくない」と語った。上映会の来場者には、軍政への抵抗を示す赤色の服の着用が推奨されている。Pyi氏はチケットが3日までに完売するとみている。

 2007年9月に起きた僧侶らによる抗議デモは、軍政にとっては約20年ぶりの脅威となった。国連(United NationsUN)は、軍政の反軍政デモに対する武力鎮圧で、少なくとも31人が死亡し、74人が行方不明になったと発表している。

 シンガポール在住のミャンマー人たちは、軍政の弾圧に対する抗議デモをこれまでも行ってきた。公的集会に対して厳しい規制を敷いているシンガポールでは、抗議運動は珍しい。

 現在、シンガポール在住のミャンマー人の数は約3万人。その多くが、母国よりはるかに高額な賃金に引きつけられ、この国で働いている。

『ランボー 最後の戦場』は、タイに暮らすベトナム帰還兵のランボーが、ミャンマー兵に捕らえられた宣教師を救うストーリー。ミャンマーとの国境近く、タイのチェンマイ(Chiang Mai)で撮影された。

「この作品を選んだのは反テロリズムを奨励しているからだ」とPyi氏。「ミャンマーの現状にもっと関心を持って、どんな暴力行為が行われているかを知ってもらいたい。そしてわれわれを支援してほしい」と訴えた。(c)AFP