【10月21日 AFP】第2回ローマ国際映画祭(Rome Film Festival)で20日、米国のフランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督にとって10年ぶりの新作『Youth Without Youth』がワールドプレミア上映された。

 同作は「永遠の若さ」との神話的テーマを哲学的に描いたもので、コンペティション外の招待作品として上映。謎めいていて難解、時に幻想的なストーリーによって、いかに人生を送るかということについて見る者を熟考させる作品となっている。

 コッポラ監督は記者会見で、「フィルムは寓話的な物語になっている。分かりにくい映画を撮るつもりはなかったが、この映画に関しては複数回見てほしい。よりよく理解できるはずだ」と述べた。

 ルーマニア人作家で哲学者のミルチャ・エリアーデ(Mircea Eliade)の小説『若さなき若さ』を原作とする同作品は、18か月にわたってルーマニアで撮影された。

『地獄の黙示録』や『ゴッドファーザー』などの作品で知られ、1997年の『レインメーカー』を最後に10年も新作を発表しなかったコッポラ監督は、「(過去10年間は)作品を書きながら、映画業界での居場所を確認しようとしていた」と語る。

「同じような作品を撮り続け、昔の作品を撮り直すことを好む監督kもいるが、リメーク作品は資金と人材、エネルギーの無駄にすぎない。人生そのものを浮き彫りにするためには、新鮮な作品を撮るべきだ」という。

「時間とは概念に過ぎないが、意識は異なる。わたしは人間の意識について学ぶことを望んでいた。この作品に出会えてワクワクしたよ」と監督は語った。(c)AFP/Katia Dolmadjian