ドキュメンタリー映画『The Price of Sugar』 グローバル化の闇を浮き彫りにする
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【10月18日 AFP】ドミニカ共和国のサトウキビ畑で精を出す、ハイチからの出稼ぎ労働者を描いた衝撃的なドキュメンタリー映画『The Price of Sugar』が今週、米国で公開される。
■映画『The Price of Sugar』
同映画を手がけたビル・ヘイニー(Bill Haney)監督は、“カリブ諸国で働く貧しい出稼ぎ労働者の生活向上に力を注ぐ聖職者の挑戦の歴史”と同時に、“グローバル化の闇の部分”をこの作品は浮き彫りにしているという。「これは、国際経済の暗部である労働搾取工場の農業版です」とヘイニー監督はAFPに語った。
同映画がスポットを当てるのは、祖国よりもより安定した仕事とより高い賃金を求めてハイチからドミニカ共和国へ渡る労働者。しかし、ドミニカ共和国に足を踏み入ると彼らは、すぐに「bateyes」として知られるスラム街で窮地に陥る。1日の稼ぎは90セント、夕暮れから夜明けまで武器をもった監視下で働かなければならない。労働者は、逃亡を防止するためのフェンスが張られた地域で、強制労働収容所のようなバラックに住まわされる。医療施設は無いに等しく、ある男性は深い切り傷に歯磨き粉を塗って対処された。
さらに、労働者の給料は現金で支払われない。その代わりに、プランテーション内でのみ使用できる食料を得るための券が与えられるが、そこでの物価は非常に高騰している
多くの場合、この労働者の衝撃的な生活状況は、米国やカリブ諸国の観光客が訪れるリゾート地の近隣で起こっている。「ドミニカ共和国には3つの社会があります。一般的な市民社会、エリートや観光客の社会、そしてハイチの人々が住む社会です」とヘイニー監督は言う。
■ヘイニー監督と司祭Christopher Hartley氏
同映画は、砂糖貿易と政府との敵対に直面したハイチの労働者の環境改善に務めた、カトリックの司祭Christopher Hartley氏の活動も描いている。
ヘイニー監督は、子どもに医療を提供する米国のチャリティ活動「Infante Sano」の一環で1997年に島に来たスペイン人の司祭であるHartley氏に惹きつけられたという。
「全くの偶然でした。私たちは、保健医療制度を受けられない多くのハイチの人々のために病院を建設しようとしているHartley氏について何度も耳にしていました。Hartley氏がどんな医療機器を望んだかについて知るために私たちはHartley氏に会いに行きました。そしてお互いを知るためにHartley氏は私たちを巡回区域を案内すると申し出ました。そして、そこで見たものは私たちに衝撃を与えました」と語るヘイリー監督。
■消費者の行動も
ヘイニー監督の作品は、Vicini一家が所有するプランテーションに焦点を当てている。サトウキビを育てる裕福層の一家からはインタビューを拒否された。監督によると、一家は同映画の公開中止を求める訴訟を起こしたという。
監督は、“この映画が米国の消費者がコーヒー砂糖をいれるとき、それがどこから来ているのか立ち止まって考えてほしい”という。「わたしたちはよく、消費者の権利を主張するけれど、消費者の義務は何か、消費者の責任とは何なのでしょうか?」と監督は問う。注目すべきはドミニカ共和国の砂糖を最も買っている国は、米国にほかならない。(c)AFP
■映画『The Price of Sugar』
同映画を手がけたビル・ヘイニー(Bill Haney)監督は、“カリブ諸国で働く貧しい出稼ぎ労働者の生活向上に力を注ぐ聖職者の挑戦の歴史”と同時に、“グローバル化の闇の部分”をこの作品は浮き彫りにしているという。「これは、国際経済の暗部である労働搾取工場の農業版です」とヘイニー監督はAFPに語った。
同映画がスポットを当てるのは、祖国よりもより安定した仕事とより高い賃金を求めてハイチからドミニカ共和国へ渡る労働者。しかし、ドミニカ共和国に足を踏み入ると彼らは、すぐに「bateyes」として知られるスラム街で窮地に陥る。1日の稼ぎは90セント、夕暮れから夜明けまで武器をもった監視下で働かなければならない。労働者は、逃亡を防止するためのフェンスが張られた地域で、強制労働収容所のようなバラックに住まわされる。医療施設は無いに等しく、ある男性は深い切り傷に歯磨き粉を塗って対処された。
さらに、労働者の給料は現金で支払われない。その代わりに、プランテーション内でのみ使用できる食料を得るための券が与えられるが、そこでの物価は非常に高騰している
多くの場合、この労働者の衝撃的な生活状況は、米国やカリブ諸国の観光客が訪れるリゾート地の近隣で起こっている。「ドミニカ共和国には3つの社会があります。一般的な市民社会、エリートや観光客の社会、そしてハイチの人々が住む社会です」とヘイニー監督は言う。
■ヘイニー監督と司祭Christopher Hartley氏
同映画は、砂糖貿易と政府との敵対に直面したハイチの労働者の環境改善に務めた、カトリックの司祭Christopher Hartley氏の活動も描いている。
ヘイニー監督は、子どもに医療を提供する米国のチャリティ活動「Infante Sano」の一環で1997年に島に来たスペイン人の司祭であるHartley氏に惹きつけられたという。
「全くの偶然でした。私たちは、保健医療制度を受けられない多くのハイチの人々のために病院を建設しようとしているHartley氏について何度も耳にしていました。Hartley氏がどんな医療機器を望んだかについて知るために私たちはHartley氏に会いに行きました。そしてお互いを知るためにHartley氏は私たちを巡回区域を案内すると申し出ました。そして、そこで見たものは私たちに衝撃を与えました」と語るヘイリー監督。
■消費者の行動も
ヘイニー監督の作品は、Vicini一家が所有するプランテーションに焦点を当てている。サトウキビを育てる裕福層の一家からはインタビューを拒否された。監督によると、一家は同映画の公開中止を求める訴訟を起こしたという。
監督は、“この映画が米国の消費者がコーヒー砂糖をいれるとき、それがどこから来ているのか立ち止まって考えてほしい”という。「わたしたちはよく、消費者の権利を主張するけれど、消費者の義務は何か、消費者の責任とは何なのでしょうか?」と監督は問う。注目すべきはドミニカ共和国の砂糖を最も買っている国は、米国にほかならない。(c)AFP