ダルフール紛争に関わる活動家たちを描く「Darfur Now」 トロント国際映画祭に出品
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【9月16日 AFP】第32回トロント国際映画祭(32nd Toronto International Film Festival)に、ワーナー・ブラザース(Warner Bros.)が制作し、ドン・チードル(Don Cheadle)が主演を務めたドキュメンタリー『Darfur Now』が出品された。
同作品は、スーダンのダルフール(Darfur)地方で4年にわたり続いている紛争を描いたもの。国連の発表によれば、これまでに20万人の犠牲者と200万人の難民を出しているという。『ホテル・ルワンダ(Hotel Rwanda)』でも主演を務めたチードルとともに、国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)のルイス・モレノオカンポ(Luis Moreno-Ocampo)検察官、アメリカ人活動家アダム・スターリング(Adam Sterling)、息子の死後に反政府勢力の一員となったスーダン人の女性などが、本作品に登場。ダルフール、カリフォルニア(California)州、ハーグ(Hague)、北京(Beijing)、ニューヨークの国連本部などの様々な舞台でストーリーが展開する。
撮影のためスーダンに4か月間滞在したというTed Braun監督は、暴力に焦点をあてるのではなく、この紛争を終わらせようとする6人の行動を描くことに集中したといい、この映画制作の目的は大ヒットではなく、虐殺を止めようとする人々が体現してくれる「希望を見せる」ことだと語った。また、「非常に複雑な紛争なんです」と、ダルフール紛争と解決法の複雑さを伝えたいと語り、この問題について世界の人々に声を上げてほしいと続けた。
作品中に登場するカリフォルニア州の活動家スターリングは、市民活動の模範となるような役割を果たしている。スターリングは米上院議員らに面会したあと、スーダンとつながりを持つ企業にカリフォルニア州の年金を投資しないよう求める法律制定に向け、チードル、ジョージ・クルーニー(George Clooney)、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア州知事の協力を求める。
『Darfur Now』はさらに、スーダンの重要人物らを国際刑事裁判所で裁こうとするモレノオカンポ検察官の奮闘も描いている。民間人虐殺に関与している民兵組織「ジャンジャウィード(Janjaweed)」の黒幕とされるAhmed Haroun元スーダン人道問題相の、同裁判所への身柄引き渡しをスーダンは拒否しているのだ。ちなみに米政府は、この虐殺を「ジェノサイド」だとしている。
モレノオカンポ検察官は、「このドキュメンタリーは、Harounに関する事件を理解する手助けになります。Harounは、ジャンジャウィードを利用して、民間人を襲撃する計画を立て、実行したのです。そしていま、あの男はダルフールに残る人々に責任を負う立場にいる」と語った。
またモレノオカンポ検察官は、映画のプレミア上映に併せて行われたダルフールに関する討論会に出席し、Harounを排除することはダルフール紛争の解決へ向けた「大きなステップ」だとして、「結局は全世界対Harounなんです。世界が団結すれば我々は勝てます」と語った。
ナレーションや視覚効果など、結局は米国人の心に訴えることを目的としたように見えるこの作品。Braun監督は、「スーダンとそこに住む人々を悪者にしてしまうのは、とんでもない過ちです」と語り、映画撮影の許可を出したスーダン政府との関係を擁護したが、撮影にはある程度の制約があったという。
同作品がトロント(Toronto)で公開されたこの時期に、スーダン政府と反政府勢力との和平協議が再開することが発表された。これに対し、クルーニーら、ダルフール紛争の解決に向け活動を行う人々は、前向きな展開だと歓迎している。(c)AFP/Guillaume Lavallee
同作品は、スーダンのダルフール(Darfur)地方で4年にわたり続いている紛争を描いたもの。国連の発表によれば、これまでに20万人の犠牲者と200万人の難民を出しているという。『ホテル・ルワンダ(Hotel Rwanda)』でも主演を務めたチードルとともに、国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)のルイス・モレノオカンポ(Luis Moreno-Ocampo)検察官、アメリカ人活動家アダム・スターリング(Adam Sterling)、息子の死後に反政府勢力の一員となったスーダン人の女性などが、本作品に登場。ダルフール、カリフォルニア(California)州、ハーグ(Hague)、北京(Beijing)、ニューヨークの国連本部などの様々な舞台でストーリーが展開する。
撮影のためスーダンに4か月間滞在したというTed Braun監督は、暴力に焦点をあてるのではなく、この紛争を終わらせようとする6人の行動を描くことに集中したといい、この映画制作の目的は大ヒットではなく、虐殺を止めようとする人々が体現してくれる「希望を見せる」ことだと語った。また、「非常に複雑な紛争なんです」と、ダルフール紛争と解決法の複雑さを伝えたいと語り、この問題について世界の人々に声を上げてほしいと続けた。
作品中に登場するカリフォルニア州の活動家スターリングは、市民活動の模範となるような役割を果たしている。スターリングは米上院議員らに面会したあと、スーダンとつながりを持つ企業にカリフォルニア州の年金を投資しないよう求める法律制定に向け、チードル、ジョージ・クルーニー(George Clooney)、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア州知事の協力を求める。
『Darfur Now』はさらに、スーダンの重要人物らを国際刑事裁判所で裁こうとするモレノオカンポ検察官の奮闘も描いている。民間人虐殺に関与している民兵組織「ジャンジャウィード(Janjaweed)」の黒幕とされるAhmed Haroun元スーダン人道問題相の、同裁判所への身柄引き渡しをスーダンは拒否しているのだ。ちなみに米政府は、この虐殺を「ジェノサイド」だとしている。
モレノオカンポ検察官は、「このドキュメンタリーは、Harounに関する事件を理解する手助けになります。Harounは、ジャンジャウィードを利用して、民間人を襲撃する計画を立て、実行したのです。そしていま、あの男はダルフールに残る人々に責任を負う立場にいる」と語った。
またモレノオカンポ検察官は、映画のプレミア上映に併せて行われたダルフールに関する討論会に出席し、Harounを排除することはダルフール紛争の解決へ向けた「大きなステップ」だとして、「結局は全世界対Harounなんです。世界が団結すれば我々は勝てます」と語った。
ナレーションや視覚効果など、結局は米国人の心に訴えることを目的としたように見えるこの作品。Braun監督は、「スーダンとそこに住む人々を悪者にしてしまうのは、とんでもない過ちです」と語り、映画撮影の許可を出したスーダン政府との関係を擁護したが、撮影にはある程度の制約があったという。
同作品がトロント(Toronto)で公開されたこの時期に、スーダン政府と反政府勢力との和平協議が再開することが発表された。これに対し、クルーニーら、ダルフール紛争の解決に向け活動を行う人々は、前向きな展開だと歓迎している。(c)AFP/Guillaume Lavallee