【9月14日 AFP】15日に閉幕を迎える第32回トロント国際映画祭(32nd Toronto International Film Festival)で公開された注目作品に、『Young People Fucking』や『Lars and the Real Girl』がある。

 『Lars and the Real Girl』の主演ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)は、孤独で妄想癖があり、ビアンカ(Bianca)という名のマネキンと恋愛をする男Lars Lindstromを演じている。さらに驚きなのは、Lindstromが素敵な女性と結婚し家族を築くことを望む町の人々が、2人がネットで出会ったという不安を抱えながらも、ビアンカを受け入れてしまうことだ。そしてビアンカはボーリングに行き、モデルとして働き始め、Lindstormの家族と夕食を楽しむことになる。
 記者会見に姿を見せたゴズリングは、共演者やスタッフのビアンカに対する敬意に言及しながら、「笑いたければ笑ってください。でも私はビアンカと20分間一緒にいて、恋に落ちないようにがんばりますよ」と皮肉を言った。
 
 ゴズリングとビアンカの絆はとても強く、映画で使用したマネキンの1つを持ち帰り、恋人のレイチェル・マクアダムス(Rachel McAdams)をやきもきさせたという。

 Craig Gillespie監督が手掛けた同作品にはそのほかに、エミリー・モーティマー(Emily Mortimer)、ポール・シュナイダー(Paul Schneider)、ケリ・ガーナー(Kelli Garner)、パトリシア・クラークソン(Patricia Clarkson)が出演している。

 またMartin GeroAaron Abramsが脚本を務めた『Young People Fucking』のプレミア上映も行われた。同作品は、友人、初めての恋愛、昔の恋人同士、ルームメイト、互いを求めてばかりいるカップルという5組のセックスを描いたコメディ。

 それぞれ別のストーリーだが、恐怖を感じたり自らの欲望を無視したり、不安を抱くなどの点が共通している。脚本を手掛けたAbramsは、「近年、人々は恋愛やセックスなどに多く関わっています。愛とセックスは別物と考えられがちで『ただ楽しみたいんだ!自分のセックスについては、自分でコントロールするさ!』と言われるようになりました。そしてそこには、彼らなりの問題が出てくるのです。この映画では、そこを描こうと考えました」と語った。

 また、ふざけたタイトルが撮影時に問題になったことを明かしたGero監督は、ロケーションマネージャーに「誰かの家に行って、玄関をノックし、『さあ、これから映画を撮るよ。“Young People Fucking”という映画なんだ。君たちの寝室を使わせてくれるかな?』なんて言えない」と言われたことで、タイトルを“Young People for that”に変えたと語った。(c)AFP