【8月22日 AFP】ベルリンで行われた俳優のトム・クルーズ(Tom Cruise)の最新映画『ワルキューレ(Valkyrie)』の撮影中に負傷した7人のエキストラが、映画制作者らに対して訴訟を起こす意向があることが弁護士によって21日に明らかになった。

 エキストラの弁護士は「エキストラの安全と生命に気遣いのない撮影セットに責任がある。負傷者に対して迅速な補償がない限り、『ワルキューレ』を制作するハリウッドの米映画制作会社に対して法的処置を求めるつもりだ」と語った。

 撮影が行われた19日、ドイツ国防軍の車両に見立てたトラックが急に曲がった際に後部の荷台の側板が開き、乗っていたエキストラが投げ出された。男性1人が病院に運ばれ、他のエキストラは切り傷と打撲を負った。

 警察の広報担当者によると、事故を起こしたトラックは業務上過失致死の疑いで技術的欠陥の捜査が行われているという。

 主演のトム・クルーズは、同映画で1944年にヒトラー(Hitler)暗殺を企てたクラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルク(Claus Schenk von Stauffenberg)大佐を演じるが、ドイツ国内では弱者を食い物にする「全体主義集団」として認知されている新興宗教サイエントロジー教会(Church of Scientology)を信仰するトム・クルーズが同役を演じることに対し、ドイツ国内では論議を呼んでいる。(c)AFP