【7月31日 AFP】イタリア映画界における最も優れた監督の1人、ミケランジェロ・アントニオーニ(Michelangelo Antonioni、94)が30日夜に自宅で亡くなったと、家族の言葉を引用しながらイタリアのANSA通信が報じた。アントニオーニは約20本の監督作品を残した。

 代表作は、1966年にイギリスで作られた『欲望(Blowup)』、1960年の『情事(原題:L’Avventura)』、1975年のジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)主演『さすらいの二人(The Passenger)』。

主な授賞歴として『赤い砂漠(Red Desert)』の1964年ヴェネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)金獅子賞授賞、『欲望』の1967年カンヌ国際映画祭(The Cannes film festival)パルム・ドール授賞などが挙げられる。

 1912年9月29日、北イタリアのフェラーラ(Ferrara)の裕福な家庭に生まれ、ボローニャ大学(University of Bologna)で経済学を専攻したアントニオーニは、地元の雑誌で映画評論を担当した後にローマへと移り、エクスペリメンタル・シネマ・センター(Experimental Cinema Centre)で映画制作を学びつつ、映画雑誌社に勤めた。

 その後、1942年にパリでマルセル・カルネ(Marcel Carne)監督の映画『悪魔が夜来る(Visiteurs du soir, Les)』のメイキングでアシスタントを務め、ロベルト・ロッセリーニ監督の『パイロット帰還ス(Un Pilota Ritorna、英題:A Pilot Returns)』では共同脚本を担当した。

そして翌1943年には初めてのドキュメンタリー『The People of the Po(原題:Gente del Po)』、続く1950年には初の長編映画『愛と殺意(Cronaca di un AmoreThe、英題:Chronical of a Love)』で監督を務めた。

 1985年に脳梗塞を患い体が部分的に麻痺するが、90歳になった2002年には、イタリア映画界から敬意をもって祝福されている。

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