【3月29日 senken h】13~14年秋冬の新作が一同に披露される、世界最大の規模を誇る下着と部屋着の見本市「パリ国際ランジェリー展」が1月19~21日に開催された。50回目の開催という記念すべき今展。パリには珍しい大雪で空路、陸路ともに遅延とキャンセルが続出するアクシデントの中だったが、世界中から1万6372人が来場した(内62%がフランス国外)。国別入場者数ではヨーロッパ勢に続き、日本が9位にランクイン。小売店バイヤー、デザイナー、輸入代理店など多くの下着業界関係者の姿が見られた。シェイプウエア旋風が吹いた昨年から下着の流れはどう変わったのか、会場の様子とともにレポートする。

■「ICE LAND」テーマに白一色の会場
 今回のテーマは「ICE LAND」(氷の国)。入口からトレンドフォーラムの演出、案内嬢のユニフォームまで白一色に。ランジェリーショーのフィナーレもステージに雪が降り注ぐ、幻想的な演出だった。こんな統一したプレゼンテーションの上手さもフランスならでは。

■注目アイテムは「ボディー」にペチコート
 ここ数シーズン、シェイプウエアブームに沸いた下着業界。ブームとしては一段落だが、コレクションのひとつ、また女性のワードローブのひとつとしてしっかり定着したと言える。「Innovative」(革新的な)は重要なキーワードで、最新技術を用いた素材開発やカップ形成は、この分野で大いに発揮されている。
 一方で、「もっとランジェリーを楽しもう」と言わんばかりの、アウターにも活用できるボディー(上下一体型のインナー)やペチコートが多く見られたのは、シェイプウエアブームの反動かも。ブラは深いVカットのプランジタイプとバンドゥタイプ、ショーツはハイウエストタイプの人気が継続中。色はグレーと、パウダーを振りかけたようなスキンカラートーンに鮮度が感じられた。

■デザイナー必見! 隣接の素材展のトレンドフォーラム
 パリ国際ランジェリー展に隣接して開催されるのが、14年春夏の素材が発表される「アンティルフィリエール展」。次シーズンの方向性が提示するキーワードごとに、実物が展示されるトレンドフォーラムは充実の内容。デザイナーをはじめ関係者が熱心にメモをとる姿が後を断たない。

■デザイナー・オブ・ザ・イヤーは「リズ シャルメル」に!
 パリで開催される見本市を組織化する「Paris Capitale de la Creation」は、13年のデザイナー・オブ・ザ・イヤーに「リズシャルメル」を選んだ。歴史あるブランドが海外の会社に買収されるケースも多い昨今、50回という記念すべき年に、リヨンをベースとする生粋のフレンチブランドが選ばれたのは納得。

■日本人デザイナーブランド「マキ・マリー」も出展
 ランジェリーデザイナーを夢見てフランスへ渡り、リヨンの服飾学校で学んだ後、08年に自らのブランドを立ち上げた西川まきさん。現在もリヨンをベースとし、今展もフランスブランドとして出展した。

◆世界のトップブランドが集う展示会と憧れの売り場へ/パリ・モード・シティー展視察ツアーを7月開催
 パリはランジェリーでもモードの都。世界トップクラスのランジェリーブランドやその素材を一堂に集めた展示会が年2回開かれている。1月のパリ国際ランジェリー展と、7月のパリ・モード・シティー展。日本からは視察ツアーが毎回催行されるほどの人気。レディスインナーメーカーやバイヤーの利用が大半だが、ランジェリーをこよなく愛する女性にとっても知的刺激あふれる旅になるに違いない。
 パリ・モード・シティー展視察ツアーの魅力は、ギャラリーラファイエットのランジェリー売り場視察と併催の素材展アンティルフィリエール会場におけるトレンドガイドツアー。ギャラリーラファイエットでは売り場の責任者から説明を受けられるだけでなく、ツアー参加者には商品写真、通訳メモ、売り場見取り図が提供され、もちろん買い物も楽しめる。トレンドガイドツアーでは現地フォーラム担当者から直接説明を聞ける(通訳メモ提供)他、ランジェリージャーナリスト武田尚子さんとの情報交換会も。ランジェリーの魅力の最先端をたっぷり学び味わうことができる。問い合わせ、資料請求はアーク・スリー・インターナショナル(パリ・モード・シティー展視察ツアー担当 TEL 06・6347・7888)まで。© senken h / text:川原好恵

【関連情報】
「パリ国際ランジェリー展」公式サイト<外部サイト>
「アンティルフィリエール展」公式サイト<外部サイト>
「フランス見本市協会(日本での窓口)」公式サイト<外部サイト>