【2月20日 senken h】12年10月29日、中国・北京市において第11回「旭化成・中国ファッションデザイナークリエイティブ大賞」(旭化成中国大賞)の授賞式およびファッションショーが行われた。消費者のファッションに対する興味も日増しに高まり、多くのブランド、デザイナーが生まれてきている中国。その中で旭化成は高級素材「ベンベルグ」の訴求を通して中国での存在感を高めつつある。

■よりハイレベルなコンテストへ

 11回の開催を数える「旭化成・中国ファッションデザイナークリエイティブ大賞(旭化成中国大賞)」に今回新たな取り組みが加わった。まず、香港ファッションデザイナー協会の参画によりデザイナー選考範囲を拡大。また、ショーに登場したモデルのヘアメーク、メーキャップを資生堂(中国)投資有限公司が全面的に担当した。

 当初は中国ファッションの高級化とトップデザイナーの育成を目指してスタートした「旭化成中国大賞」。新たなコラボレーションによりさらにハイレベルなコンテストへと進化を遂げた。

■色で引き出すベンベルグの魅力

 今年度は香港デザイナーの何国鉦氏と中国デザイナーの王玉涛氏の2人が受賞。今回は香港・ニューヨークを拠点に活躍する何国鉦(ドリアン・ホー)氏によるファッションショー「2013春夏ベンベルグコレクション」が行われた。これまでモノトーンなどのシックなコレクションを発表するデザイナーが多かった中、今回は一転、原色たっぷりの華やかなショーが披露された。旭化成せんいの素材「ベンベルグ」の魅力を最大限引き出したコレクションに来場者も魅了された。

 次回の旭化成中国大賞は今年3月に予定されている。また新たなデザイナーによるクリエーションが披露される。

◆インタビュー/何国鉦(ドリアン・ホー)氏「中国で新たな飛躍をめざす」

今回大賞に選ばれた香港のデザイナー何国鉦氏は、93年にアメリカのボストン大学を卒業後、「Dorian Ho Collection」を創立した。現在はニューヨークにショールームを持ち、アメリカをはじめカナダ、オーストラリア、香港、シンガポールなどで作品の販売をしている。ウエディングドレス、イブニングドレスを得意とするが、今回の旭化成中国大賞受賞をきっかけに新たな飛躍をめざしている。

■世界の色をカラフルに表現

――服作りについて

「デザイナーになり10年です。私は女性らしさを表現できるドレスを得意としています。この2、3年で気になっているのは『色』です。世界の文化を知るために海外を旅し、そこでカラフルな色をたくさん見てきました。見て経験した多様な文化を自分なりに消化したものがデザインに生かされており、そうすることで世界中の人が着られる服ができると思っています。今回の旭化成中国大賞では、リオのカーニバルにインスピレーションを得たカラフルな作品が中心となっています」

――受賞について

「旭化成中国大賞の受賞は大変にうれしいです。過去5年間のコレクションでは、黒やベージュといったシンプルな色が多く見られました。それも、カラフルなコレクションを作りたいと考えた理由の1つです。今までされなかったことを行うことでベンベルグの可能性を知りたかったのです。

 今回のショーは、私自身にとっても新たな挑戦です。ショーではクルーズ船の1日を通してラグジュアリーなファッションをオン、オフのシーンで提案し、ドレスのほかに水着やカジュアルも揃えています。豊かになった中国人が欧米へ旅行に行った時に着られるような服をめざしました」

■多彩な表現の可能性が

――旭化成せんいの「ベンベルグ」について

「ベンベルグは、今まで裏地で使った経験はありますが表地は初めてです。これまでのドレスでは高級シルクを使ってきました。今回もファーストサンプルはシルクで作り、その後に染め上がってきたベンベルグで作りました。出来上がった服は私のイメージ通りでした。色については、多くの可能性が表現できて満足しています。とくにサンドウオッシュをかけた赤の生地で作ったワンピースは、シルクの豪華さに加え、上質なカジュアル感を出せました。これはシルクでは難しい表現です」

――今後の展開は

「中国では3年前から販売を開始しました。中国での足がかりを作るため大連にショップを作りました。そこではドレス、ウエディング、18~30歳を対象としたレディス、子供服を揃えました。ウエディングにはメンズもあります。今回の旭化成中国大賞をきっかけに中国でのビジネスの幅を広げていきたいと考えています」(c)senken h

【関連情報】
旭化成 公式サイト<外部サイト>