【5月21日 MODE PRESS WATCH】ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)表参道ビル内のアートスペース、エスパス ルイ・ヴィトン東京(Espace Louis Vuitton Tokyo)で、ドイツ人アーティスト、トーマス・バイルレ(Thomas Bayrle)のエキシビション『Monuments of Traffic(交通のモニュメント)』が開かれている。

 メディアアートのパイオニア的存在として半世紀以上にわたり精力的に活動するバイルレが自らキュレーションを担当。インスタレーションや映像作品を通じ、ユーモアを織り交ぜながら近代都市の様相を描いた。

■バイルレが自らキュレーション

 バイルレは、1937年ドイツ・ベルリン生まれ。機会織工場に務めた後、アーティストに転身。反復パターンやグリッドといった織物的な発想を取り入れながら、絵画やオブジェ、サウンド・インスタレーション、映像など、あらゆるメディアを駆使し、多岐にわたる作品を手がけてきた。

 本展では、アウディ―のワイパーを使用した新作『Conducteur(指揮者)』をはじめ、2012年のドイツ「ドクメンタ(13)」に出展された壮大なモジュール作品『Carmageddon(カールマゲドン)』、1994年のスポーツカーが反復・増殖するフィルムコラージュ『Sunbeam』、1970年代に東京で撮影した写真をもとにしたフォトコラージュなど“交通”をキーワードにしたさまざまな年代&メディアの作品を展示。壁面やフロアなど会場に点在する作品を、『Conducteur』が奏でるエリック・サティの「家具の音楽」とワイパー音のサウンドコラージュがひとつにまとめあげていく。

■都市の肖像

 開催にあわせて来日したバイルレは「私はこの世界を“織物”として捉えています。マシンによって支えられる産業や都市ネットワーク、そこに暮らす人々。あらゆるものがジャカード織りのように正確かつ緻密なパターンを何度も繰り返していますが、そこにふたつとして同じものは存在しません」とコメント。さらに「巨大な格子状のガラスによって構成された会場と、その先に広がるビル群・・・作品と会場、東京の街並が一体化し、都市の肖像を織り上げてゆくのです」と語る。

 ルイ・ヴィトン表参道ビル1階でも、バイルレによる映像作品『Gummibaum(ゴムの木)』が上映されている。会期は、2013年9月1日まで。

【イベント詳細】
展覧会名:Monuments of Traffic(交通のモニュメント)
会期:2013年5月18日(土)~9月1日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道ビル7階
開館時間:12:00~20:00 入館料:無料 電話:03-5766-1094
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