ファッション写真界の巨匠、ヘルムート・ニュートン回顧展
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【6月14日 AFP】フランス・パリにある「グラン・パレ(Grand Palais)」のサウスイースト・ギャラリー(Southeast gallery)で17日まで、ファッション写真家ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)の回顧展が開催されている。
■妻ジューンがキュレーター
キュレーションは、妻で写真家のジューン・ ニュートン(June Newton)と学芸員のジェローム・ヌートル(Jerome Neutres)が共同で行った。会見に出席したジューンは「ヘルムートのありとあらゆる面をご覧いただけます。ひとつひとつの写真が語っています」 とコメント。
ジェロームも「ニュートンは、これまで写真家がやらなかったことに大胆に挑みました。決まりきった型を打ち破ったのです」と語る。「本展を通して、円熟し、複雑に入り組んだ美術史における“偉大な古典芸術家”としてのニュートンをお見せできればと思います」
■ニュートンの軌跡をたどる200点
会場には、ファッション誌のために撮影されたポートレイトやヌードのオリジナルプリント、ポラロイドなど、04年に死去したニュートンの軌跡をたどる約200点以上の作品が展示されている。ジューンが撮影したドキュメンタリー映像では、「完璧なファッション写真とは、映像や記念写真、パパラッチ写真を超越したものでなくてはいけない。ファッション写真以外のなにものでもないのです」と語るニュートンの姿が映し出される。
■自立した女性のヌード
ニュートンといえばヌード写真が有名だが、それは決して女性を性的対象として捉えたものではなかった。メイン会場に展示された「ビッグ・ヌード (Big Nudes)」シリーズは、独警察が撮影したテロ容疑者のポートレートにインスパイアされた作品だ。大作「Sie Kommen(They're Coming)」では、ハイヒール姿の女性4人が一歩を踏み出そうとしている姿を、着衣とヌードの両バージョンで撮影した。どの作品からも、力強さと優美さが感じられる。
ジェロームは「彼のヌードは、まるで塑像のよう。ベラスケス(Diego Velazquez)のヌード作品や、マネ(Edouard Manet)の『オランピア(Olympia)』といった傑作と同列に扱われるべきです。男性向けグラビアとは違います」と語り、ニュートンが自立した女性を表現したと説明する。デザイナーのイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が過去から解放された自由な女性の姿を反映させたスモーキング・ルックのように、ニュートンは写真を通して、新たな自由を表現した。
■ポルノ・シック
ニュートンは、センスの限界に挑むのが好きだった。マネキンを使ったセックスシーンやボンデージ衣装、医療器具の小道具など、その先鋭的なスタイルは「ポルノ・シック(Porno Chic)」と称されている。妻ジューンは「彼は、人々に『ポルノ・シック』や『性的倒錯の王』と呼ばれることを喜んでいました。その名前がお気に入りだったようです」と冗談交じりにコメントする。一方ジェロームは「決してポルノではありません」と否定。「ポルノ的な写真は一枚もありません。彼の作品は、常にシックなのです」と加えた。(c)AFP/Emma Charlton
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■妻ジューンがキュレーター
キュレーションは、妻で写真家のジューン・ ニュートン(June Newton)と学芸員のジェローム・ヌートル(Jerome Neutres)が共同で行った。会見に出席したジューンは「ヘルムートのありとあらゆる面をご覧いただけます。ひとつひとつの写真が語っています」 とコメント。
ジェロームも「ニュートンは、これまで写真家がやらなかったことに大胆に挑みました。決まりきった型を打ち破ったのです」と語る。「本展を通して、円熟し、複雑に入り組んだ美術史における“偉大な古典芸術家”としてのニュートンをお見せできればと思います」
■ニュートンの軌跡をたどる200点
会場には、ファッション誌のために撮影されたポートレイトやヌードのオリジナルプリント、ポラロイドなど、04年に死去したニュートンの軌跡をたどる約200点以上の作品が展示されている。ジューンが撮影したドキュメンタリー映像では、「完璧なファッション写真とは、映像や記念写真、パパラッチ写真を超越したものでなくてはいけない。ファッション写真以外のなにものでもないのです」と語るニュートンの姿が映し出される。
■自立した女性のヌード
ニュートンといえばヌード写真が有名だが、それは決して女性を性的対象として捉えたものではなかった。メイン会場に展示された「ビッグ・ヌード (Big Nudes)」シリーズは、独警察が撮影したテロ容疑者のポートレートにインスパイアされた作品だ。大作「Sie Kommen(They're Coming)」では、ハイヒール姿の女性4人が一歩を踏み出そうとしている姿を、着衣とヌードの両バージョンで撮影した。どの作品からも、力強さと優美さが感じられる。
ジェロームは「彼のヌードは、まるで塑像のよう。ベラスケス(Diego Velazquez)のヌード作品や、マネ(Edouard Manet)の『オランピア(Olympia)』といった傑作と同列に扱われるべきです。男性向けグラビアとは違います」と語り、ニュートンが自立した女性を表現したと説明する。デザイナーのイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が過去から解放された自由な女性の姿を反映させたスモーキング・ルックのように、ニュートンは写真を通して、新たな自由を表現した。
■ポルノ・シック
ニュートンは、センスの限界に挑むのが好きだった。マネキンを使ったセックスシーンやボンデージ衣装、医療器具の小道具など、その先鋭的なスタイルは「ポルノ・シック(Porno Chic)」と称されている。妻ジューンは「彼は、人々に『ポルノ・シック』や『性的倒錯の王』と呼ばれることを喜んでいました。その名前がお気に入りだったようです」と冗談交じりにコメントする。一方ジェロームは「決してポルノではありません」と否定。「ポルノ的な写真は一枚もありません。彼の作品は、常にシックなのです」と加えた。(c)AFP/Emma Charlton
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