【2月24日 MODE PRESS】現在最も注目される美術家のひとり、山口晃(Akira Yamaguchi)の個展「望郷-TOKIORE(I)MIX」が、5月13日まで東京・銀座のメゾンエルメス8階フォーラムで開かれている。

  山口は、1969年東京生まれ群馬育ち。日本の伝統美術や大和絵に対する深い造形をもとに、古今東西の事象や日常風景、空想が交錯する作品を制作してきた。なかでも、過去から現代にいたる「東京」の都市景観は、山口が大学在学中から何度も取り上げたモチーフのひとつ。鳥瞰図などの透視図法を取り入れながら、イマジネーション溢れる街並みを描き出してきた。

 本展「望郷-TOKIORE(I)MIX」(=トウキョウリミックス、トキヲリミックス、トキオリミックス)では、会場の柱を街に佇む電柱に見立てた「忘れじの電柱」、東京の街を上空から見下ろした壮大な墨絵「Tokio山水」、 幼い頃に訪れたとしまえんの“仕掛け小屋”から着想した体験型インスタレーション「正しい、しかし間違えている」の新作3点を展示。過去・現在・未来を幾重にも重ね、時空が歪んだ不可思議な空間を生み出した。見慣れたはずの「東京」の街並みが、見るものの感覚に揺さぶりをかけてくるようだ。

 会見に出席した山口は「“望郷”いう言葉にはどこか後ろ向きの印象があるが、“望”という字には“希望”や“望み”という意味もある。今回の作品でも、古めかしい体裁や自分の中の古い記憶を用いているが、作り直すことで、それが現代において少しでも意義のあるものになれば」と語った。

 展覧会にあわせ、メゾンエルメスの路面ウィンドウも山口が手がけたディスプレイ「みにくいアヒルの子」になっている。東京・銀座の街を、山口のアートで彩る。 

【イベント詳細】
山口晃「望郷―TOKIORE(I)MIX」
開催期間:2012年2月11日(土)~5月13日(日)会期中無休 入場無料
     月~土曜 11:00~20:00 (最終入場 19:30) 日曜 11:00~19:00(最終入場 18:30)
※ウィンドウディスプレイは3月20日まで
会場:メゾンエルメス8階フォーラム/中央区銀座5-4-1/TEL:03-3569-3300
主催:エルメス財団
(c)MODE PRESS

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