【7月4日 AFP】(記事追加)13/14年秋冬パリ・オートクチュールコレクション期間中の1日、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が、故エルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)のブランド再ローンチのためのコレクションを発表し、パリ・ファッション界への復帰を果たした。

 「エルザ へのオマージュ(Homage to Elsa)」と題したコレクションでラクロワは、スキャパレリがサーカスや軍服、サリーなどからインスパイアされて作ったデザインを再解釈した全18ルックを発表。ボリュームのあるスカート、3人がかりでマネキンに着せたという刺繍飾りのケープ、ファーで縁取られたシューズや羽根飾りの作品などが並ん だ。

 コレクションの一部は、転式の鏡の上に並んだマネキンに着せる形でディスプレイされたが、その随所には、大きなポケットや誇張されたプロポーション、細く絞ったウエストなどスキャパレリを彷彿とさせるデザインがとり入れられた。

  カラーパレットにはスキャパレリが好んだ濃紫や黒、ラクロワもお気に入りだという赤や赤紫を使用。サーカスからインスパイアされたピースでは、ひだのある 左右対称のビスチェとオーバーサイズのスカートに、ピエロハットを合わせた。このドレスは、40メートルのシルク布と350時間を費やして制作されたとい う。

 ショーを行なった装飾美術館(Decorative Arts Museum)でラクロワは「エルザがいなければ、私はクチュリエにはなっていなかったでしょう」と報道陣に語り、「スキャパレリ」からデザイナーとして 招かれたことは「神様からの贈り物」だったとコメント。今回のコレクションを「悪意と憂鬱」の融合だと表し、彼とスキャパレリは「黒や色彩、刺繍を好む」という点で似通っていると語った。

 またラクロワは「今回のコレクションは利益目的のものではありません。だから自由に制作すること ができました」と述べ、「私はオートクチュールにおいてはいつも気ままに制作していました。それが私の不運だったのかもしれませんね」と経営難で2009 年に自身のブランドを失ったことに触れた。

 ラクロワによる「スキャパレリ」は、今回のパリ・オートクチュール・コレクションの中でもハイライトとして注目されていた。(c)AFP/Helen ROWE