【5月20日 AFP】2013年の世界のラグジュアリー市場は、売上で前年比4~5%増と、2012年の前年比10%増に比べて緩やかな成長となる見通しだ。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)とイタリア高級ブランドの業界団体アルタガンマ財団(Fondazione Altagamma)が16日、調査結果を発表した。

「世界中でより平均的に成長するとみている」と、ミラノ(Milan)在住のベイン・アンド・カンパニーのパートナーで今回の報告書の主執筆者、クラウディア・ダルピツィオ(Claudia D’Arpizio)氏は述べ、また「ブランドは、短期的・即応的発想から、長期的に持続する成長戦略に焦点を定め直している」 と指摘した。

 2012年の世界のラグジュアリー市場の売上は2120億ユーロ(約28兆円)に達した。

 報告書によると、裕福な観光客は、ドバイやオーストラリア、東南アジアといった新たな目的地を求めているとし、また欧州を訪れる日本人観光客の減少が顕著だったとした。さらに、著しい成長をみせる中国市場で高級時計の売上が減速しており、成熟市場での化粧品の売上も減少しているという。

 2013年の成長率を地域別で見ると、中国が7%増で落ち着いている一方、新店舗のオープンラッシュを迎える東南アジア地域では20%増になると見込まれている。そのほか、中東地域が5%増、米国は7%増、中南米は12%増と予測した。

 調査をした2社は「この業界で課題となるのは欧州」とし、「観光業の減速、観光客の消費額縮小に加え、欧州の人々も南部を中心に支出を抑えていることから、地域の2013年の成長率を最大で2%と予測している」と声明で述べた。

 アルタガンマ財団のアンドレア・イリー(Andrea Illy)代表は、イタリアのGDPの2%にあたり、かつ輸出の24%を占めるラグジュアリー産業は、イタリア経済にとって極めて重要であると述べた。(c)AFP