【5月2日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊で縫製工場などが入るビルが崩壊し、多くの死者が出た事故の影響を受け、スペインのアパレル大手「マンゴ(MANGO)」は4月25日、ビル内の工場に2万5000アイテムを発注していたことを発表した。

 AFPが確認した書類によると、アイテムは今年1月から3月にかけて発注されたレギンスやTシャツ、ポロシャツなど。マンゴのスポークスマンはそれらのアイテムは「サンプル」だとし、「2万5000アイテムというのは、さまざまなラインを展開する我々のサンプルとしては多い数ではありません」と説明している(現在マンゴは109か国で2600店を展開している)。また、工場「ファントム・タック(Phantom-TAC)」については「マンゴのオフィシャルサプライヤーではない」と述べている。

 英国の低価格ブランド「プリマーク(Primark)」は、ビル内の工場で自社製品を製造していたことを認め、バングラデシュの安全性や労働環境への懸念を示している。

 バングラデシュの衣料工業労働者連合は、仏スーパーマーケット「カルフール(Carrefour)」のブランド「Tex」のタグを発見したと発表するも、カレフール側はビル内にオフィシャルサプライヤーがないとし、「迅速かつ綿密な調査を進行中です」と語る。また同連合は、伊アパレル大手「ベネトン(Benetton)」が工場「New Wave Style」に発注したとみられる書類を提供しているが、ベネトン側は「今回の崩壊に関与している人たちは我々グループのサプライヤーではありません」としている。

 衣類製造労働者の環境改善を訴えるNGO「クリーン・クローズ・キャンペーン(Clean Clothes Campaign)」は、ヨーロッパの小売「C&A」に関連のあるタグも発見されたと伝えているが、同グループは2011年に同ビル内の工場との関係は絶っているという。

 また米小売大手「ウォルマート(Wal-Mart)」は、ビル内で自社製品が製造されていたか調査をしていることを発表。同社は、昨年11月に火災で111人の死者を出した工場でも製品を作っていたが、それは納入業者が許可なく下請けに出していたと明かしていた。関係者によれば、工場側にコストカットや納期厳守など大きなプレッシャーが与えられる産業では、このような非公式の外注はよくあることだという。(c)AFP