【4月25日 AFP】仏高級ブランド「エルメス(HERMES)」は22日、2013年第1四半期の売上高は10.3%増の8億5680万ユーロ(約1108億円)だったと発表した。アジア市場の需要が急増した一方で、ブランドを代表する革製品は伸び悩みをみせた。

 地域別では、7%増という低い伸び率の日本を除いたアジアで17%増を記録。ヨーロッパの売上高は、エルメスによると「激しい競争や景気が低迷しているにもかかわらず」、12.0%増。南北アメリカでは11.0%増となった。アジアのファッションに敏感な層、特に中国人の間で伝統あるフランスブランドを好む人が増えており、ヨーロッパを訪れた観光客が高級品を買い求める動向が売上に影響している。
 
 10.3%増という第1四半期の売上高の伸びは前年同期の18.5%増を下回るが、ライバルの仏ラグジュアリーグループのLVMHの7%増よりは良い結果となった。エルメスは「どの地域でもエルメスのコレクションには強い需要がありますが、品質や特別感、時代に左右されない魅力のある商品を求める風潮が追い風になりました」とコメントを発表した。

 商品別では、革製品・馬具部門は前年同期比7%増だったが、前期(2012年第4四半期)比では半分以下の伸び率にとどまった。シルクやテキスタイルを含むスカーフ部門は、生産力の向上に伴い15%増を記録。既製服・アクセサリー部門と香水部門はいずれも約18%増となった。女性向けの新作香水「ジュール・ドゥ・エルメス(Jour d'Hermes)」が市場で歓迎されたことが要因という。

 2012年のエルメスの売上高は34億8000万ユーロ(約4500億円)、純利益は7億4000万ユーロ(約960億円)だった。2013年通期の詳しい業績見通しに関しては明らかにしていないが、流通網の拡大と生産能力の増強、供給源の保護に力を入れるとしている。(c)AFP