【6月22日 AFP】LVMHグループのファッション・レザーグッズ部門ルイ・ヴィトン・マルティエ(Louis Vuitton Malletier)が映画『ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える(The Hangover: Part II)』(2011)に登場したバッグをめぐって米映画大手ワーナー・ブラザーズ(Warner Brothers)を訴えていた裁判で、米ニューヨーク(New York)の連邦裁判所はルイ・ヴィトンの訴えを退ける判断を下した。関係者らが18日明らかにした。

 コメディアン/俳優のザック・ガリフィナーキス(Zach Galifianakis)が演じる「LVM」のモノグラム柄のバッグを持った登場人物が、バッグを乱暴に扱った別の登場人物に「おい待て、それはルイス・ヴィトン(Lewis Vuitton)なんだぜ」と言う場面が話題になっていた。このバッグは中国と米国の合弁企業Diophyが製造していた。

 ルイ・ヴィトン・マルティエは、映画に登場したDiophyのバッグを本物のルイ・ヴィトンのバッグだと多くの人が信じ、「ルイス・ヴィトン」はこの映画を代表する言葉になったと指摘して、「商品の出所に関する不実表示/不正競争」および「商標の希釈化」にあたると主張した。

 アンドリュー・カーター(Andrew Carter)判事は、問題になっている30秒足らずの場面を見ただけで観客が偽のルイ・ヴィトンに気づくとは考えにくく、原告側は主張を裏付ける十分な証拠を示さなかったという判断を下した。

 この映画をめぐって裁判が起こされたのは、撮影中に負傷したオーストラリアのスタントマンがワーナー・ブラザーズを訴えたのに続き2度目。(c)AFP