【12月6日 AFP】ファッション誌ヴォーグ(Vogue)の編集長アナ・ウィンター(Anna Wintour)氏が、英国または仏への駐在大使に任命されるのではないかと報道されていることについて、米ホワイトハウス(White House)は5日、明確な考えを示さなかった。ただジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は、「外交官ではない人物でも、特命使節として十分な任務を遂行できる」との考えを強調した。

 ウィンター氏の大使起用に関する噂は、ブルームバーグ(Bloomberg)が今週、その可能性について報じたことで火が付いた。記事は、自らの支持者に対してオバマ大統領が大使のポストを用意するのではとの内容だった。ウィンター氏は、大統領の再選に向けた選挙活動で巨額の資金援助を行ったことが知られている。

 カーニー報道官はこの日の記者会見で、人事に関する発表はないと述べたが、ウィンター氏をめぐる噂についての記者からの冗談には、「大使は必ずしも、外交政策の専門家である必要はない」と応じた。

「大統領は常に、任命する人の才能や見識、人柄を判断基準にしてきた。どの役職であれ、大統領はそのようなプロセスを通じて人選を行うだろう。過去を振り返ってみても、外交の専門家でなくとも、外交官としての任務をしっかり果たした人たちが存在している」(カーニー報道官)

 米国では過去にも、大統領が自らの支持者を大使のポストで優遇した例がいくつもある。例えば、現在のダン・ルーニー(Dan Rooney)駐アイルランド大使は2008年の大統領選で、いち早くオバマ氏支持を表明。ナショナル・フットボール・リーグ(National Football LeagueNFL)のピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers) のオーナーから、大使に抜てきされた。(c)AFP