【12月16日 AFP】ロシアのトップデザイナーが手がけたファッション性の高い軍服のせいで、多数の軍人が「病院行き」になっていると、政府系ロシア新聞(Rossiyskaya Gazeta)が15日報じた。布地が薄いため、ロシアの厳しい冬の寒さに耐えられないというのだ。

 ソビエト連合解体後のロシア軍は、1990年代に最初の軍服を導入したが、古くさいと士官らには不評だった。

 こうしたなか、2008年にデザイナーのヴァレンティン・ユダシュキン(Valentin Yudashkin)が手がけた新たな軍服が導入された。パレード用の軍服は、金糸の刺繍入りで、帝政時代を想わせるシャープでシックなデザイン。一方、野外用の軍服は、従来のものより軽く薄手で、動きやすいスタイルになっている。

 ところがロシア新聞によると、北から押し寄せる寒気のため、すでに60~250人の軍人がインフルエンザや肺炎で寝込んでいるという。息子が肺炎にかかったというある母親は、新しい軍服について「裸で屋外に立っているようなもの。大勢が入院している」と語っている。(c)AFP

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