【12月8日 AFP】仏パリ(Paris)市内カンボン通りのブティックで7日、「シャネル(CHANEL)」がメティエダール コレクション(Metiers d’Art)新作「パリ ― ビザンス(Paris-Byzance)」を発表した。メティエダールは、刺繍のルサージュ(Lesage)、金銀細工のゴッサンス(Goossens)、靴のマサロ(Massaro)、コスチュームジュエリーのデリュ(Desrues)、羽細工のルマリエ(Lemarie)などのクチュール工房のテクニックを取り込んだコレクションだ。

 今回カールが思い描いたのは6世紀に活躍したビザンティン帝国のテオドラ(Theodora)皇后。デザイナーのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は「彼女はサーカスの踊り子から皇后になった人物なのです」と語る。その運命は、カフェ・コンセールの歌い手からデザイナーに転身し大成功を収めた創始者ココ・シャネル(Coco Chanel)にも通じる。

 ラヴェンナ地方の遺跡や失われた偉大な文明からのインスピレーションに、60年代のロンドンなどの様々な要素を加えた。ベルベットやウール、シルクのドレスはクリスタル刺繍やチュール飾りを施した。ジュエリーのヘアバンドをあわせた60年代風ヘアスタイルにも注目だ。

 会場の壁はオリエンタルなコッパーカラーに輝き、ローテーブルはモザイクで飾られた。まるで隠れ家のような落ち着いた雰囲気の中、顧客や関係者は職人たちの豪華な手仕事をじっくりと鑑賞。カールは「グラン・パレ(Grand Palais)とは正反対でしょう」とコメントした。

 ショーには歌手/女優のヴァネッサ・パラディ(Vanessa Paradis)やモデルのイネス・ド・ラ ・フレサンジュ(Ines de la Fressange)、シャルロット・カシラギ(Charlotte Casiraghi)などのセレブリティも出席した。(c)AFP

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